ステビア市場、2027年に8億米ドル規模到達見込み

市場の概要

世界のステビア市場は、2020年には約4億9千万米ドル規模となりました。2021年から2027年までの予測期間中、市場は8%のCAGRで成長し、2027年には8億米ドル規模に達すると予想されています。ステビアは、パラグアイやブラジルが原産で、日本や中国でも栽培されている天然の甘味植物です。この植物は、カロリーをほとんど含まない非栄養性甘味料やハーブサプリメントとして使用されています。多くの食品や飲料において、砂糖に代わる健康的な代替品として利用されています。

肥満や過体重の割合は、世界中で劇的に増加しており、1975年以降、約3倍になっています。肥満の人は多くの深刻な健康状態や病気にかかりやすいため、肥満は世界的に主要な死因の一つとなっています。例えば、CDCによると、パンデミックが始まってから2020年11月18日までの間に、米国では90万人以上の成人がCOVID-19により入院しています。そして、これらの入院者数のうち271,800件(30.2%)が肥満に起因すると推定されています。また、肥満者数の増加は、少なくとも10種類のがんを含む非感染性疾患の発生率の上昇に影響を及ぼし、さらなる増加傾向を示しています。さらに、砂糖の過剰摂取は、砂糖が広く普及していることから、肥満を助長する要因の一つとなっています。過去10年間で、世界の砂糖消費量は約1億3,000万トンから1億7,800万トンに増加しました。そのため、砂糖よりも甘く、カロリーも低い天然の砂糖代替品を求める人が増えており、ステビア市場の成長を促しています。

一方で、砂糖代替品に対する国際的な品質基準や規制の遵守、ステビア葉の価格の不安定さなど、ステビア市場が直面する課題があり、市場の成長を妨げています。

市場の考察

種類別では、粉末分野が大きなシェアを占める

市場は種類別に、ホールリーフ、粉末、液体、その他に分類されます。粉末は、市場で最も人気があり、広く入手可能なステビアの種類であるため、市場を支配し、今後数年間にわたり高いCAGRで成長すると予想されます。高純度で甘味度の高いステビアパウダーは、飲料、焼き菓子、デザート、ソースなどの様々な用途に広く利用できるため、消費者の間で人気が高まっています。

用途別では、飲料分野が大きなシェアを占める

市場は用途別に、食品、飲料、乳製品・冷菓、ベーカリー・製菓、卓上甘味料に分類されています。2020年には、飲料分野が最も高い市場シェアを占め、予測期間中に大幅なCAGRで成長することが見込まれています。これは、さまざまな種類の飲料を調合する際にステビアの利用が増えているためです。また、多くの市場プレイヤーが成分としてステビアを取り入れることに注力していることから、ステビアを使用した飲料の発売数が増加しています。例えば、2018年、コカ・コーラ社は、ステビア(Stevia rebaudiana)のみで甘味をつけたコーラの新製品を発売しました。

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