自動車用フレックス燃料エンジン市場、2021年から2027年にかけて6%のCAGRで成長見込み

市場の概要

自動車用フレックス燃料エンジンの世界市場は、2021年から2027年までの予測期間中に6%のCAGRで成長すると予想されています。世界的に政府は低炭素経済への移行を進めています。世界のCO2総排出量の29%を輸送が占めていることから、自動車メーカーは自動車用フレックス燃料エンジンの研究開発に力を入れています。これは、各国がエタノール混合量の基準を頻繁に変更しているため、長期的に見て非常に適しています。自動車用フレックス燃料エンジンは、エタノールのどのような混合比率にも柔軟に対応できます。また、発展途上国では、政府がフレックスエンジンを必要とするE20混合燃料を採用することが増えており、これが自動車用フレックス燃料エンジンの需要をさらに押し上げる要因となっています。

市場の考察

2020年には、エンジンタイプ別では、小型エンジンと中型エンジンが大きなシェアを占める

エンジンタイプ別では、小型エンジン、中型エンジン、大型エンジンの3つのカテゴリーに分けられます。小型エンジンの設計は、性能向上を目的とした技術の導入や、車両の軽量化を実現するために進化しています。小型エンジンは、コスト効率が高く、燃料消費量も少ないため、軽自動車に使用されています。中型エンジンは、主に商用車に使用される高出力を生み出す重負荷用の燃焼式点火エンジンに使用されています。

燃料タイプの中で、2020年にはガソリンが有利な市場シェアを獲得

自動車用フレックス燃料エンジン市場は、燃料タイプ別に、ガソリン、ディーゼル、その他に分けられます。現在、ガソリン車の販売台数がディーゼル車の販売台数を上回っているため、ガソリン車が有利な市場シェアを占めています。例えば、インドでは2020年にガソリン車の販売台数が67%、ディーゼル車が29%となっています。欧州ではE85混合燃料のマイルストーン達成を目指しており、フレックス燃料エンジンを搭載した自動車が必要となるため、自動車用フレックス燃料エンジンの需要がさらに高まります。2020年に欧州連合で販売される自動車は、ガソリン車が47.5%、ディーゼル車が28%です。ガソリン車の販売台数が増加すれば、ガソリンベースのフレックス燃料エンジンの製造台数も増加し、自動車用フレックス燃料エンジンの市場規模が拡大すると考えられます。

エンドユーザーのうち、2020年には乗用車が有利な市場シェアを占める

エンドユーザーに基づいて、市場は乗用車、中型商用車、大型商用車、小型商用車に分類されます。ここ数十年、可処分所得の増加や生活水準の向上に伴い、乗用車の需要は大幅に増加しています。また、近年では、車を所有することがステータスシンボルとなっており、これが乗用車の需要に好影響を与えています。乗用車の需要の増加は、商用車に比べてフレックス燃料エンジンの成長を促進します。しかし、2020年の乗用車の販売台数は、主にCOVID-19危機の影響により、15%程度の減少が見られました。

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