マラリア治療の市場規模、2027年に21億2642万米ドル到達予測

マラリア治療の市場規模は、2019年の15億812万米ドルからCAGR4.4%で成長し、2027年には21億2642万米ドルに達すると予測されています。マラリアは、マラリア原虫によって引き起こされる生命を脅かす感染症です。低所得国におけるマラリアの高い罹患率と、各国政府による取り組みが、マラリア治療市場を牽引しています。しかし、抗マラリア薬に対する耐性の増加が市場の成長を妨げています。

2020年4月、欧州医薬品庁は、クロロキンとヒドロキシクロロキン(抗マラリア薬)に対し、COVID-19の治療薬としての可能性を調査し始めました。これにより、COVID-19の管理における抗マラリア薬の需要が増加しています。

低所得国におけるマラリア罹患率の高さが市場の成長を牽引

マラリアは、雌のアノフェレス(Anopheles)蚊が媒介するマラリア原虫によって引き起こされる生命を脅かす感染症です。マラリアの流行は増加の一途をたどっており、気候変動は媒介する種類の蚊が繁殖しやすい環境を作り出しています。WHOによると、2019年には世界で約2億2900万人のマラリア患者と約40万9000人の死者が記録されています。マラリアは、アフリカやアジア、中南米などの熱帯地域を中心に発生しています。

マラリア罹患率は、アフリカ地域が最も高い割合を占めています。同地域は、2019年のマラリアの症例と死者の約94%を占めています。また、同地域の6つの国が、世界のマラリアによる死者数の半分を占めており、その割合は、ナイジェリア(23%)、コンゴ民主共和国(11%)、タンザニア連合共和国(5%)、ブルキナファソ(4%)、モザンビーク(4%)、ニジェール(4%)となっています。子どもと妊婦は、マラリアの影響を最も受けやすいグループです。2019年のマラリアによる死者のうち、子どもは67%(27万4,000人)を占めています。また、旅行者のマラリアの患者数の増加も、マラリア治療の需要につながっています。毎年、何千人もの人々がマラリアの影響を受ける地域に渡航しており、感染リスクが高まることが予想されます。発展途上国や低開発国を中心としたマラリアの高い罹患率は、市場の成長の主な要因となっています。

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