脳腫瘍診断の市場、2022年～2028年までCAGR28.5%で成長予測

脳腫瘍診断の市場規模は、2022年に16億3,910万米ドルとなり、2022年～2028年に28.5％のCAGRで拡大し、2028年までに73億7,857万米ドルとなると予想されています。

脳腫瘍は、脳内の細胞が細胞外に増殖することにより腫瘍が発生するものです。腫瘍には、原発性脳腫瘍と二次性脳腫瘍があります。原発性脳腫瘍は、脳内に形成され、他の身体部位に転移しないがんであり、二次性脳腫瘍は、転移とも呼ばれ、身体の他の部位から始まったがんです。脳腫瘍は大きく40種類に分類され、さらに成長が遅く転移の可能性が低い「良性」と、がん化し転移の可能性が高い「悪性」に分類されます。

脳腫瘍の発生件数の増加が市場成長に大きく貢献

米国臨床腫瘍学会（ASCO）によると、2021年には米国で約24,530人の成人（男性13,840人、女性10,690人）が脳および脊髄の原発性がん腫瘍と診断されています。人の一生のうち、このような腫瘍にかかる確率は1％未満です。中枢神経系（CNS）の原発性悪性腫瘍のほとんどは脳腫瘍であり、全体の85％～90％を占めています。脳腫瘍は致命的であり、生活の質に深刻な影響を与え、最終的には患者と家族の生活を一変させる可能性があります。

同様に、Cancer Research UKは、英国で毎年約12,288例の脳腫瘍、その他の中枢神経系腫瘍、頭蓋内腫瘍が新たに診断され、1日あたり約34例となると推定しています（2016-2018年）。脳腫瘍、その他の中枢神経系、頭蓋内腫瘍は、英国で9番目に多い悪性腫瘍であり、全新規がん症例の3％を占めています（2016-2018年）。また、英国では女性で7番目に多いがんであり、2016-2018年の間に約6,400人の新規症例が発生しています。同様に、男性では、脳腫瘍、その他のCNS、頭蓋内腫瘍は11番目に多いがんで、2016-2018年の間の英国での新規症例は約5,800例です。脳腫瘍の罹患率は、英国では85歳から89歳（2016-2018年）で最も高くなっています。

米国神経外科学会によると、膠芽腫は脳やその他の中枢神経系の悪性腫瘍の中で最も多く、全体の47.7%を占め、膠芽腫の発症率は10万人あたり3.21人です。Cancer Australiaによると、2020年にオーストラリアで新たに診断される脳腫瘍の症例は約1,879例とされています。

腫瘍を早期に発見することで、より多くの治療オプションが得られることが多いです。高度な画像診断技術により、脳腫瘍の位置をピンポイントで特定することができます。また、術中MRIは、手術中の組織生検や腫瘍切除のガイドにもなります。磁気共鳴分光法（MRS）は、腫瘍の化学的特性を調べるために使用されます。