バイオプラスチック市場、2021年~2028年はCAGR13.2%成長予測
バイオプラスチックの市場規模は、2021年に57億9,980万米ドルとなり、2021年~2028年に13.2%のCAGRで成長し、2028年までに138億610万米ドルとなると予想されています。
バイオプラスチックは、石油から作られる従来のプラスチックとは異なり、有機バイオマス資源から作られる物質です。バイオプラスチックは、さまざまなプロセスを通じて製造されます。植物油、セルロース、でんぷん、酸、アルコールなどの基材を微生物で処理するプロセスもあります。
2020年には、アジア太平洋地域がバイオプラスチック市場を支配し、予測期間中も支配を維持すると予想されています。環境関連の規制が強化され、環境意識を促す政府の取り組みが活発化していることから、消費者はバイオベースのプラスチックに嗜好を移す傾向が強まっています。従来のプラスチックに対する禁止措置の強化は、アジア太平洋地域における市場成長の主要な推進要因となっています。インドや中国などの国々が環境に配慮しているため、企業はバイオプラスチックにシフトしており、より高い消費市場シェアを獲得するのに役立っています。COVID-19の大流行に対処するためのヘルスケア製品のニーズが高まっていることから、今後数年間は包装分野でのバイオプラスチックの需要が急増すると予想されます。
消費財業界からの軟包装に対する需要の高まりと、包装における技術革新の採用が、包装分野の大幅な成長につながっています。欧州は世界市場の中で2番目に大きな地域であり、予測期間中最も急速に成長する地域であると予想されています。自動車産業の成長とパッケージング産業からの需要増が、欧州のバイオプラスチック市場の成長を後押ししています。
バイオプラスチックの幅広い応用範囲
近年、世界中のさまざまな最終用途産業において、バイオプラスチックの用途が拡大しています。農業分野では、資源の使用量を減らすための代替品として、バイオプラスチックの利用が進んでいます。高吸水性バイオプラスチックは、大量の水を吸収・保持することができるため、干ばつ時に作物に水を供給し、水源の補完として活用することができます。また、食品容器や生分解性食器、食料品袋など、さまざまな消費財にバイオプラスチックの利用が進んでいます。自動車産業では、自動車の軽量化により、燃料消費量や排出ガスの低減に役立ちます。このように、バイオプラスチックの応用範囲の広さが市場の成長を後押ししています。