アクリルアミド市場、2028年に65億2,200万米ドル規模に成長見込み

アクリルアミド市場は、2021年の42億5,416万米ドルから2028年には65億22万米ドルに成長すると予測されており、年平均成長率は6.2%と推定されています。

アクリルアミドは有機無臭の化学物質で、液体と結晶の形態で利用可能です。アクリルアミドは水やさまざまな有機溶媒に溶ける性質があります。水溶性増粘剤や凝集剤などの用途があるポリアクリルアミドの前駆体です。

2020年には、アジア太平洋地域が世界のアクリルアミド市場を支配し、予測期間中もその支配を維持すると予想されています。日本と中国がアクリルアミドの主要メーカーであり、世界の設置容量のかなりの部分を占めています。

インドや中国などの国々で廃水処理に対する政府の支援が増加していることや、この地域のパーソナルケアおよび化粧品産業の成長が、アジア太平洋地域の市場成長を後押ししています。同地域のパーソナルケア産業は、中間所得層の増加、一人当たりの所得の増加、生活水準の向上、働く女性人口の増加などを背景に成長しています。

したがって、化粧品およびパーソナルケア製品の安定剤、結合剤、増粘剤として広く使用されているアクリルアミドは、パーソナルケア産業の成長により、需要の増加に繋がっています。

また、北米は2番目に急成長している地域と予想されますが、これは廃水処理への投資の増加と、原油回収や化粧品分野からのアクリルアミドに対する需要の増加によるものです。同様に欧州も予測期間中にかなりの成長が見込まれています。

市場動向

廃水処理の需要の高まり

世界的な経済成長、人口の増加、急速な都市化により、飲料水の消費量と廃水の発生が増加しています。水域の汚染や廃水の不法投棄に対して、国が厳しい規制を設けています。

中国のように大気汚染の影響を受けている国では、廃水排出の悪影響から保護するために特別な法律が施行されています。

産業排水には有害な化学物質が含まれており、健康被害や海洋の生物多様性を阻害する恐れがあるため、産業排水の管理は規制機関の間で極めて重要な関心事となっています。

このように、世界中で廃水処理に対する需要が増加していることが、市場の成長を促進しています。

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