心臓監視装置の遠隔モニタリングシステムの市場規模、2028年に316億7,169万米ドル到達予測

心臓監視装置の遠隔モニタリングシステムの市場規模は、2021年の49億7,640万米ドルからCAGR30.3%で成長し、2028年には316億7,169万米ドルに達すると予測されています。遠隔モニタリングによる心臓監視装置は、病院から離れた場所で心臓の電気的活動を継続的に監視することを可能にします。また、不整脈リスクがある患者に対して、自宅で心電図(ECG)をモニタリングすることができます。心臓監視装置の遠隔モニタリングの最も重要な利点は、定期的な医師の診察を減らすことです。ペースメーカーや植込み型除細動器などのデバイスは、低侵襲な方法で患者の心臓に植え込まれ、デバイスと同期する送信機がデータを送ります。心血管疾患(CVD)の発生率の増加や、遠隔医療アプローチの継続的な発展などの要因が、同市場の成長を後押ししています。しかし、データのプライバシーに関する懸念が市場の成長を妨げています。

心血管疾患の発生率の増加

遠隔患者モニタリング(RPM)は、患者への関与を高め、健康管理の向上に役立ちます。米国心臓協会は、エビデンスに基づいた遠隔患者モニタリング技術の設計と使用を奨励するためのイニシアチブを支援しています。世界保健機関(WHO)によると、心血管疾患(CVD)は世界の主要な死因の一つであり、毎年約3,000万人が脳卒中を経験しています。米国心臓協会によると、米国では成人の約半数が何らかのCVDを患っているとされています。欧州心臓病学会の報告によると、CVDは欧州で390万人、欧州連合(EU)では180万人以上の死亡原因となっています。この数値は、欧州の全死亡者数の45%、EUの全死亡者数の37%に相当します。アジア太平洋諸国におけるCVDによる死亡率は、タイ、フィリピン、インドネシアなどの国では20%未満、中国、香港、日本、韓国、マレーシアの都市部では20〜30%とされています。さらに、ニュージーランド、オーストラリア、シンガポールなどは30〜35%と比較的高い数値となっています。

高血圧は、CVDの重大な危険因子です。患者の遠隔モニタリングは、高血圧症の管理を促し、高血圧症の急性症状による長期入院や頻繁な入院に起因する経済的負担を軽減する重要な手段となります。遠隔患者モニタリングは、通常のケアやセルフモニタリングのみの場合と比較して、収縮期血圧(SBP)および拡張期血圧(DBP)を有意に低下させることが研究で示されています。また、いくつかの非ランダム化試験によると、遠隔患者モニタリング装置は症状の早期の発見を可能にし、全死亡率や入院を減少させることで転帰を改善できるとされています。最近の臨床ガイドラインでは、心房細動(AF)の検出に遠隔患者モニタリングを使用することが強く推奨されています。

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