モリンガ成分の市場規模、2028年に73億717万米ドル到達予測

モリンガ成分の市場規模は、2020年の42億5,406万米ドルから2028年には73億717万米ドルに達し、2021年から2028年にかけて7.1%のCAGRで成長すると予想されています。太鼓の木とも呼ばれるモリンガという植物には、数多くの健康効果があります。モリンガの葉の粉末、モリンガオイル、モリンガ種子などの成分は、抗真菌作用、抗うつ作用、抗炎症作用があることから、食品・飲料、医薬品・栄養補助食品、パーソナルケアなど、さまざまな業界で幅広く利用されています。さらに、モリンガには、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB3、カルシウム、カリウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、アスコルビン酸などの栄養素が含まれています。その成分は、肌や髪を保護して栄養を与え、浮腫みを解消し、肝臓を保護し、癌の治療にも役立ちます。また、消化プロセスを助け、腹痛にも効果があります。

2020年は、アジア太平洋地域がモリンガ成分市場で最大シェアを占めました。この地域の成長を後押ししている主な要因としては、モリンガ成分の大規模な生産と国内消費が挙げられます。これは、食品・飲料メーカーが顧客の嗜好に応えるために新しい原料を導入して製品を革新しようとする流れから推進されています。また、中国、インド、フィリピンなどの発展途上国では、モリンガの健康・栄養面でのメリットに対する消費者の意識が高まっていることも、市場を牽引する重要な要因の一つです。さらに、食生活の変化により、植物由来の食品を求める菜食主義者の傾向が強まっていることも、この製品の需要を牽引しています。同時に、多数のモリンガ成分メーカーの存在も、この地域の市場成長を後押ししています。

COVID-19のモリンガ成分市場への影響

様々な研究で、新型コロナウイルスに対する薬用植物抽出物の使用が指摘されています。消費者の健康への関心が高まる中、医薬品・栄養補助食品、食品・飲料、化粧品などの様々な最終用途向けのモリンガ成分の需要は、COVID-19以降に拡大すると予測されています。モリンガは多目的ハーブ植物で、食品と医療の代替品の両面で活用されています。モリンガには19種類のアミノ酸が含まれており、そのうち9種類は体の活動に必要な成分です。モリンガの木に含まれるさまざまな成分から、粉末、オイル、カプセル、錠剤、石鹸、種子などが作られています。

COVID-19が大流行する中、消費者は健康維持に力を入れており、栄養補助食品の売上を押し上げる要因となっています。さらに、植物由来のサプリメントに対する消費者の嗜好が、モリンガ製品の成長に影響を与えており、モリンガ成分市場にプラスの影響を与えています。新型コロナウイルスに対抗するために、免疫力を高め、衛生的な状態を維持し、医療上のアドバイスを遵守することが不可欠となっています。世界保健機関(WHO)も、COVID-19報告書の中で、人々が免疫力を高める食品を摂取することを推奨しています。一方、多くの国で、感染症の発生により、化粧品をはじめとする多くの企業が、生産部門の閉鎖を余儀なくされ、サプライチェーンの乱れにより、原材料が不足し、最終製品の生産量の低下につながっています。また、消費者行動の変化による、購買力の低下も報告されています。これらの要因により、2020年の第1四半期および第2四半期の市場成長は抑制されました。しかし、移動の制限が緩和され、ロックダウンが解除されれば、モリンガ成分市場は、その栄養価の高さから、高い成長率を示す可能性があります。

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