ニチノール製医療機器の市場規模、2028年に273億2,725万米ドル到達予測

ニチノール製医療機器の市場規模は、2020年の158億753万米ドルから、2028年には273億2,725万米ドルに達し、2021年から2028年の間に7.2%のCAGRで成長することが見込まれています。低侵襲手術の使用は、医学における手術のパラダイムを進化させました。革新的な技術の成長により、MIS(最小侵襲手術)への関心、認識、臨床試験、評価が高まり、低侵襲手術の採用が増えています。腹腔鏡手術、ロボット手術、内視鏡的粘膜切除術、血管内手術などのMISの種類は、世界各国で広く採用されています。より小さい切開創、痛みの軽減、合併症の減少、出血量の減少、入院期間の短縮など、MISの採用は手術に劇的な変化を与えています。

低侵襲手術には、ガイドカテーテル、ガイドワイヤー、ステント、フィルター、インフレータ、気腹器、気腹器針、閉鎖装置などの医療機器やデバイスが必要です。これらのデバイスは小さな切開部から挿入されるため、高い柔軟性、生体適合性、強度、弾性、安全性が求められます。ニチノールは、これらの器具の設計に広く好まれています。さらに、ニチノールの持つ形状保持特性により、MIS用の医療機器への使用が加速しています。ニチノールのユニークな特性から、ニチノールベースのMIS用医療機器の使用が拡大しています。

ニチノールとは、ニッケルとチタンの合金で、医療業界では医療機器の構成材料として急速に普及しています。ニチノールは、自己拡張型グラフト、バスケット、フィルター、グラフトサポートシステムなどに広く使用されています。ニチノール合金は、その超弾性と熱的形状記憶で最もよく知られています。ステント、ガイドワイヤー、カテーテル、整形外科用インプラントやステープル、歯科矯正用アーチワイヤーなどのニチノール製医療機器は、慢性疾患の治療を主要な目的として、需要を拡大させています。心血管疾患(CVD)や末梢血管疾患(PVD)、泌尿器科や消化器科の癌、重度の整形外科的損傷、歯の変形などの慢性疾患には、効果的な製品による高度な治療が広く求められます。加えて、慢性疾患は世界各国で最大の死亡原因となっています。例えば、CVDは先進国でも発展途上国でも広く発症しており、世界の総死亡数の最大の原因の一つとなっています。2017年に発表された世界保健機関(WHO)のデータによると、2016年には約1,790万人がCVDを原因として死亡しています。この死亡者数は、世界で発生した全死亡者数の31%を占めています。1,790万人のうち、85%が心臓発作と脳卒中による死亡でした。しかし、医療科学の進歩により、重篤なCVDのリスクを早期に診断できるようになりました。生活の質を向上させるための治療法も容易に入手できるようになりました。また、血管内にバルーンやステントを留置する血管形成術などの処置により、ニチノール製の医療機器が使用されるようになりました。ステント、グラフト、バルーンの大部分はニチノール製です。また、手術の際に使用されるガイドワイヤーやカテーテルもニチノール製です。

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