電気活性ポリマーの市場規模、2027年に64億4955万米ドル到達予測

電気活性ポリマーの市場規模は、2019年の38億9000万米ドルからCAGR6.6%で成長し、2027年には64億4955万米ドルに達すると予測されています。電気活性ポリマー市場は、半導体メーカーやポリマーメーカーにとって収益性の高い市場ですが、シリコンからポリマーへの変更には高い初期投資が必要となります。電気活性ポリマー市場の成長を促す最も大きな要因はコストです。発光体やロボットの用途にポリマーを使用することは、半導体や金属材料よりも費用対効果が高くなります。また、バイオメディシンやバイオミメティクスの分野で電気活性ポリマーを使用すれば、医療費の高騰という問題に対処できる可能性があります。

2019年のアジア太平洋地域は、電気活性ポリマーの最大市場です。この地域の最大シェアは、主に3M、アルケマグループ、ソルベイS.A.などの老舗プレイヤーの存在によるもので、これらの国々では製造業や自動車業界での需要が高まっています。それ以外にも、医療機器、航空機、電子・家電、工業などの業界で、幅広く利用されています。

COVID-19の電気活性ポリマー市場に与える影響

化学・素材業界は、COVID-19の影響で、サプライチェーンの断絶、生産設備の停止などの深刻な混乱に見舞われました。北米、欧州、アジア太平洋、南米、中東・アフリカなどの主要地域における様々な工場やプラントが停止したことで、世界のサプライチェーンに影響を与え、化学物質や材料の製造、納期、販売に悪影響を及ぼしています。また、すでに各社から製品の納入遅延や今後の販売不振の可能性が発表されています。加えて、欧州、アジア、北米の国々による世界的な渡航禁止措置は、ビジネス上の協力やパートナーシップの機会に影響を与えています。

スマートエレクトロニクスへの需要の高まり

電子・半導体分野を中心とした科学技術の発展に伴い、通電により形状が変化するスマートポリマーが登場しています。スマートフォンをはじめとするスマートエレクトロニクスには、電池、コンデンサー、近接センサー、指紋センサー、タッチパネルセンサーなど、電気活性ポリマーが使用されています。また、スマートコンピューター、ノートパソコン、タブレット端末などにも電気化学ポリマーが使用されています。今後、研究開発が進めば、目の不自由な方のための点字付きコンピューターにも、電気活性ポリマーが使われるようになるでしょう。電気活性ポリマーは、点字使用時の文字数制限を緩和し、視覚障害者のコミュニケーションを支援するために電子機器に使用されています。スマートエレクトロニクス市場は、2020年から2027年の間に、CAGR7%で成長すると予想されており、スマートエレクトロニクスにおける電気活性ポリマーの大きな可能性を示しています。

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