がん治療薬の市場規模、2023年には2845億ドルへと微増予想 高齢者人口の増加や血液・腫瘍(がん)治療薬の承認数の増加により市場の需要が拡大

がん治療薬市場の定義

がん治療薬市場は、事業体(団体、個人事業者、組合)による治療薬の売上と関連サービスで構成されています。この業界には、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、胃がん、腎臓がん、脳腫瘍などのがんの化学療法、手術、放射線治療に使用される医薬品を製造する施設が含まれています。

製薬業界では、病気の診断、治療、予防のために薬を開発しています。医薬品は、特許、試験、安全性、有効性、販売に関する様々な法規制を受けています。がん治療薬メーカーは、原薬(API)や賦形剤を原料とした医薬品を製造しています。

がん治療薬の市場規模

がん治療薬の市場規模は、2015年からCAGR9.8%で増加し、2019年には1679億米ドルに達しました。 その後、市場はCAGRマイナス11%で減少し2020年には1499億米ドルに縮小すると予想されています。これは、各国が課しているロックダウンやソーシャルディスタンスの保持、COVID-19の影響による経済の減速によるものです。市場は、2021年の2011億米ドルからCAGR9.7%で成長し、2023年には2845億米ドルに微増することが予想されています。 その後、市場は安定し、2030年には4129億米ドルに達すると予想されています。

この成長は、高齢者人口の急速な増加、新興国市場の力強い経済成長、医療費の増加、血液・腫瘍(がん)治療薬の承認数の増加、医薬品研究開発費の増加、がん創薬の進歩などが要因となっています。マイナスの影響を与えた要因としては、医薬品の特許切れ、規制当局からの価格決定圧力、規制変更による課題、医療アクセスの悪さなどが挙げられます。

今後は、がん罹患率の増加、医療費の増加、高齢者人口の増加、強力な医薬品のパイプライン、生物製剤開発を促進するFDA規制の改正が市場を牽引すると予想されています。薬剤コストの高止まり、金利の上昇、代替療法や自然療法の人気の高まり、コロナウイルスの大流行、covid-19によるドラッグトレイルへの影響、自由貿易の縮小などが、市場の成長を妨げる要因となる可能性があります。

推進要因:がん罹患率の増加

世界的ながん患者数の増加が、がん治療薬の市場成長に寄与する可能性があります。米国がん協会によると、2019年の米国での新規症例数は176万2450人で、がん死亡者数は606万8880人となっています。 世界で最も多いがんは肺がん、前立腺がん、大腸がん、乳がんの4つで、新規がん患者数の43%を占めています。そのため、世界的ながん罹患率の上昇は、今後数年間でがん治療薬市場の需要を押し上げると予想されています。

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