CRISPR技術の市場規模、2019年の7億6000万米ドルから2020年に9億2000万米ドルへ COVID-19治療薬研究が市場牽引

CRISPR技術は、研究者がDNA配列を操作して遺伝子機能の改変を可能にするCRISPRの遺伝子編集技術による製品やサービスの売上で構成されています。市場の収益には、設計ツール、プラスミドとベクター、Cas9とRNA、ライブラリーとデリバリーシステムなどの製品や、設計とベクターの構築、スクリーニング、細胞株エンジニアリングなどのサービスの売上が含まれています。これらの製品とサービスは、ゲノム編集・遺伝子工学、遺伝子組み換え生物、農業バイオテクノロジーなどの分野で利用されており、gRNAデータベース・遺伝子ライブラリー、CRISPRプラスミド、ヒト幹細胞、細胞株工学などの分野で利用されています。また、エンドユーザーには、製薬・バイオ製薬企業、バイオテクノロジー企業、学術・研究機関、受託研究機関などが含まれています。

CRISPR技術の市場規模は、2019年の7億6000万米ドルから2020年には9億2000万米ドルへ、CAGR 20.91%で拡大が予測されています。この成長は、CRISPR技術を用いた遺伝子編集によるCOVID-19の治療薬の研究が進められていることによるものです。市場は、2023年にはCAGR19.13%で15億5000万米ドルに達すると予測されています。

2019年の市場は、北米が最大地域で欧州がそれに続きます。

診断ツールとしてのCRISPR技術の応用が、期間中の市場を押し上げると予想されています。Sherlock CRISPR SARS-CoV-2キットは、COVID-19に起因する感染症を対象としたCRISPR技術に基づく初の診断キットです。2020年5月にFDAは、CRISPRベースのSHERLOCK(Specific High-sensitivity Enzymatic Reporter unLOCKing)診断テストであるSherlock BioSciencesのSherlock CRISPR SARS-CoV-2キットの緊急使用承認を発表しました。上気道からの鼻腔スワブや気管支肺胞洗浄液からの肺内液などの検体やサンプルから、SARS-CoV-2ウイルスのRNAまたはDNA配列を特異的に標的化することができます。本診断キットは、高い特異性と感度を有し、偽陰性や偽陽性の結果をだすことがありません。CRISPR技術の感染症診断への応用が広がれば、関連の製品やサービスへの需要が高まると考えられます。

政府の厳しい規制は、CRISPR技術市場の成長を遅らせると予想されます。遺伝子編集製品に関する国際的な規制の枠組みは存在せず、各国は、遺伝子編集を用いて行われる研究、アプリケーションや製品に対して、現行の規制が適切かどうかを評価している最中です。2018年7月、欧州連合(EU)の司法裁判所は、遺伝子編集された作物を遺伝子組み換え作物として扱い、規制の対象とするとの判決を下しました。2019年4月には、オーストラリア政府は、テンプレートを使用したり、細胞内に他の遺伝子材料を挿入したりする遺伝子編集技術のみを規制すると表明しています。インドでは、幹細胞、生殖系幹細胞、配偶子、ヒト胚のCRISPR-Cas9技術による遺伝子編集を含むゲノム改変は、in-vitro研究のみに制限されています。政府による厳しい規制が市場の成長を脅かす要因となっています。

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