拡張現実サービスの市場規模、2020年に縮小するも、2023年には1487億2000万米ドルへ回復予測 消費者のプライバシーとデータのセキュリティが今後の課題

拡張現実(AR)サービス市場は、ARサービスの販売で構成されています。ARとは、デジタル情報とリアルタイム環境を統合したものです。ARサービスには、トレーニング、年次報告書や拡張パンフレットの作成、新築・建築プロジェクト、ゲーム、展示会環境、マーケティングキャンペーン、医療用途、データの可視化、エンターテイメント、位置情報教育など、様々な用途に対応したサービスが含まれます。

ARサービスの市場規模は、2019年の500億米ドルから、COVID-19の発生により2020年にはCAGR-2.08%で489億6000万米ドルに縮小すると予測されています。その後、市場は回復し、2023年にはCAGR 44.8%で1487億2000万米ドルまで回復すると予想されています。

COVID-19の発生は、企業が事業を継続するために、より高度で仮想的なソリューションへのシフトを提示しており、短期的にはARサービス市場の主要な成長促進要因になる事が予測されています。COVID-19の発生後、様々なエンドユーザー産業における拡張現実への需要が増加していることから、市場が拡大すると予想されています。例えば、Analytics Insights誌の2020年4月の発表では、COVID-19の発生により、ARやVRなどの新時代技術の需要が急拡大している事が報告されています。ImaginateやQueppelinなどのAR企業は、AR、MR、VR技術の開発を続けています。また、ARサービスへの需要は、学習意欲の高まり、そして従業員や消費者向けの遠隔デモやトレーニングの開発によって支えられています。

AR製品やサービスの利用に伴う様々なリスクが、市場の成長を妨げると予想されます。リスクには、消費者のプライバシーとデータのセキュリティ、製造物に対する責任、安全性の問題が含まれます。拡張現実は、ユーザーから豊富な情報を収集し、同時にプライバシーと安全性のリスクにつながる可能性があります。国際的な法律事務所であるPerkins Coie LLPが発表した調査レポートによると、拡張現実の製品やサービスに対し、法的リスクに関する懸念が示されています。サービス利用の際、最優先すべき選択肢として、プライバシーとデータセキュリティが上位を占め、次いで健康と安全性の問題、製造物責任、知的財産権の侵害の順となっています。ARソリューションに関連する多くのリスクが、近い将来に市場の成長を妨げる可能性があります。

ARサービス市場では、ブロックチェーン技術の統合が大きな人気を得ています。ブロックチェーン技術とは、デジタル資産に暗号技術を用いて固有の属性を割り当て、共通台帳に分散して管理する分散台帳技術(DLT)のことです。デジタル通貨アプリケーションとは別に、ブロックチェーン技術は、ユーザーや他の開発者がコピーできない独自のデジタル資産を作成したり、仮想不動産を販売したり、仮想的に表現されたデータを追跡したり、拡張現実や仮想現実の開発者が注目しているアプリケーションを実行します。拡張現実を備えたブロックチェーンの組み込みは、市場の成長を後押しすると予想されます。

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