自律型軍用機の市場規模、Covid-19で縮小も、2023年は43億5000万米ドルに達しV字回復 AI技術のエッジ処理により、性能、情報セキュリティ、自律性の向上を目指す

自律型軍用機市場は、地上から自律的に誘導し、爆弾やミサイルで地上目標を攻撃したり、標的を破壊したりすることを目的とした自律型軍用機の販売で構成されています。自律型軍用機は、センサー、目標指示器、攻撃用武器、電子送信機などを搭載しています。

自律型軍用機の市場規模は、2019年の44億5000万米ドルから2020年には37億3000万米ドルに減少し、CAGR-16.16%と予想されています。その後2023年にはCAGR5.23%で43億5000万米ドルに達し、V字回復すると予想されています。

市場は、技術別に、遠隔操作型、半自律型、自律型に分類され、タイプ別に、戦闘機、爆撃機、偵察・監視機、空中早期警戒機、その他に分類されています。

軍事活動の効率化を目的とした、自律型軍用機などの防衛装備品に対する政府の資金援助により、市場の需要が高まっています。例えば、インド政府は2018年に3億9512万米ドルの資金を投入して、無人戦闘空中機用のエンジンを開発しました。同様に、英国政府は2019年に、自律型航空機の新技術の研究を支援するために1億5230万米ドルの資金を提供しています。したがって、自律型軍用機への政府支出の増加は、市場を牽引する重要な要因となっています。

自律型軍用機の主な制約は、ジャミング(レーダー波に対する妨害)やスプーフィング(なりすまし)に対する脆弱性です。敵軍によって改ざんされないように、この脆弱性に対してGPS信号を確保する事は、大きな課題となっています。特に、制御装置と自律型軍用機との間の通信リンクは極めて脆弱であり、目標精度を達成することは、ナビゲーションエラーにより非常に困難になります。このため、航空機は誤誘導され、使用不能になるか、あるいは逆に、自軍の脅威となります。2019年には、ロシア軍が中東で関わったGPSシステムの妨害により、イランへの攻撃のために、同地域に集まる米軍に影響を与えました。こういった脆弱性は、自律型軍用機の需要を害し、市場の成長に影響を与える可能性があります。

自律型軍用機企業は人工知能(AI)の組み込みに力を入れており、これらの高度なシステムの中核機能である機械学習やAIを含むソフトウェアの開発に特化しています。人の介入無しにセンサーデータの入力から最適な行動を判断し、操作の意図を読み取るシステムは、AI技術によって実現可能です。エッジ処理により、航空機はクラウドに情報を送る必要がないため、性能、情報セキュリティ、自律性を向上させる事ができます。米国国防高等研究計画局(DARPA)は、個人およびチームの空中戦術のためのAI技術の進歩を目指しています。

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