学生寮の市場規模、2027年に270億米ドル到達予測
学生寮の市場規模は、2022年の159億9000万米ドルからCAGR12.3%で成長し、2023年に179億5000万米ドルとし、さらに、2027年には270億米ドルに達すると予測されています。
ロシアとウクライナの戦争は、COVID-19パンデミックからの世界経済回復の可能性を混乱させました。この2国間の戦争は、複数の国に対する経済制裁、商品価格の高騰、サプライチェーンの混乱につながり、商品やサービス全体にインフレを引き起こし、世界中の多くの市場に影響を与えました。
学生寮市場には、寄宿舎、宿泊施設、下宿などの学生寮サービスを提供する事業体が得る収益が含まれます。学生寮とは、学生や労働者などに宿泊サービスを提供する大規模な居住用の建物や施設を指し、大学キャンパス内やその近くにあることが多く、また、手頃な価格の住宅を提供する軍事基地もあります。2022年の学生寮市場は北米が最大となりました。
学生寮の主な種類は、下宿、寄宿舎および大学学生寮などです。下宿や寄宿舎とは、個人や家族が借りることができる部屋や家の一部を備えた住宅構造を指し、通常はバスルームやキッチンなどの共有スペースがあります。提供されるサービスは、PBSA(目的別学生寮)、民間賃貸セクター、大学の宿泊施設など様々で、新入生、2年生、3年生、4年生、5年生以降、大学院生など様々な人向けに利用されています。
学生人口の増加は、今後の学生寮市場の成長を促進することが考えられます。学生寮は、便利で費用対効果の高い宿泊施設として学生によく利用されています。また、学生に対し社交的で多様な環境で生活する機会を提供し、様々な背景を持つ学生と関係を築くことを可能にします。さらに、キャンパスに近く価格が手ごろなため、学生にとって魅力的な選択肢となっています。例えば、2022年1月、英国で高等教育に関するデータを収集・公表している公的機関、高等教育統計局(Higher Education Statistics Agency:HESA)によると、2020年から2021年度の高等教育全体における在籍学生数は275万1865人で、2019-20年度から9%増加しました。初年度の学位取得志願者数が8%増加したのに対し、大学院の初年度入学者数は16%増加しています。英国以外の学生の初年度入学者数は4%増加し、英国からの学生は13%増加しました。さらに、インドからの初年度入学者数は27%増加しています。学生数の増加が学生寮市場の成長を牽引しています。