動物生体の市場規模、2027年に3兆5683億6000万米ドル到達予測

動物生体の市場規模は、2022年の2兆5081億8000万米ドルからCAGR7.5%で成長し、2023年に2兆6955億6000万米ドルとし、さらに、2027年には3兆5683億6000万米ドルに達すると予測されています。

ロシアとウクライナの戦争は、COVID-19パンデミックからの世界経済回復の可能性を混乱させました。この2国間の戦争は、複数の国に対する、経済制裁、商品価格の高騰、サプライチェーンの混乱につながり、商品やサービス全体にインフレを引き起こし、世界中の多くの市場に影響を与えました。

動物生体市場は、家畜と生産動物、食肉処理動物、ペットの販売で構成されています。動物生体とは、鳥類、魚類、甲殻類、昆虫、爬虫類、ミミズ、発育中の卵を含む、(人間を除く)すべての生物を指し、動物の種類によって小分類に分けられます。その用途は、繁殖用、乳・肉・卵の生産用、あるいは労働用です。2022年の動物生体市場は、アジア太平洋地域が最大となりました。

動物生体の主な種類は、牛と水牛、豚、家禽、羊と山羊などが挙げられます。牛と水牛は、家畜化されたウシ科の家畜で、特に乳、肉、皮革、または輓用を目的として飼育されています。これらは企業対消費者(B2C)および企業対企業(B2B)の流通チャネルを通じて販売されます。

食肉消費の増加は、今後、動物生体市場を促進することが予想されます。食肉とは、食品として消費される動物の肉を指し、バランスの取れた食生活の構成要素となります。食肉はビタミンB群、鉄分、高品質のタンパク質を供給します。動物生体は食肉を生産するために使用され、食品として消費されるため、食肉消費の増加は市場の成長を促進します。例えば、2021年7月、飢餓を撲滅し、栄養と食料安全保障を改善するためにフランスに本部を置く政府間組織である経済協力開発機構(OECD)が共有したFAO(国連食糧農業機関)農業報告見通し2021-2030によると、2030年までに世界の1人当たり食肉消費量は小売重量換算で35.4kgと、年間0.3%増加すると予想されており、同じく2030年までの食肉タンパク質の世界消費量は14%増加すると予想されています。さらに、中国の需要が大幅に増加することで、2020年の世界の鶏肉生産量は2019年比1.2%増の1億3400万トンになると予想されます。食肉消費の増加が動物生体市場の成長を牽引しています。

技術革新は、動物生体市場で人気を博している重要なトレンドです。動物生体市場で事業を展開する主要企業は、市場での地位を強化するため、新しい技術ソリューションの開発に注力しています。例えば、2022年4月、米国の畜産用医薬品会社であるElanco Animal Health Inc.と米国のバイオテクノロジー会社であるGinkgo Bioworksは、マイクロバイオーム技術を活用した新しい動物用医薬品会社BiomEditを立ち上げました。この会社では、動物の健康のための新しいプロバイオティクス、生物活性化合物、オーダーメイドの微生物薬、微生物モニタリング・サービスの発見、開発、導入が期待されています。

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