石油化学製品の市場規模、2027年に7867億4000万米ドル到達予測

石油化学製品の市場規模は、2022年の6715億7000万米ドルからCAGR3.2%で成長し、2023年に6933億米ドルとし、さらに、2027年には7867億4000万米ドルに達すると予測されています。

ロシア・ウクライナ戦争は、COVID-19パンデミックからの世界経済回復の可能性を混乱させました。この2国間の戦争は、複数の国に対する、経済制裁、商品価格の高騰、サプライチェーンの混乱につながり、商品やサービス全体にインフレを引き起こし、世界中の多くの市場に影響を与えました。

石油化学市場は、脂肪族化合物、芳香族化合物、無機化合物、合成ガスの販売で構成されます。石油化学製品とは、精製された石油または液体炭化水素から作られ、商業目的に使用される明確な化学製品を指します。また、石炭、天然ガスなどの化石燃料や、トウモロコシ、サトウキビ、パームフルーツなどの再生可能資源からも製造されます。2022年の石油化学製品市場は、アジア太平洋地域が最大で、中東は2番目に大きな市場となりました。

石油化学製品の主な種類は、エチレン石油化学製品、プロピレン石油化学製品、ベンゼン石油化学製品、キシレン石油化学製品、スチレン石油化学製品、トルエン、クメンなどがあります。キシレンは3種類の異性体が存在する芳香族炭化水素で、3種類とも無色の可燃性揮発性液体であり、溶剤として、またジメチルベンゼンのような合成樹脂、染料、殺虫剤の製造に使用されます。用途は、ポリマー、塗料・コーティング、溶剤、ゴム、接着剤・シーリング剤、界面活性剤、顔料・染料、繊維・織物などがあり、エンドユーザー産業は、建設、包装、自動車・輸送、ヘルスケア、電気・電子などがあります。

石油化学市場は、自動車産業の成長から恩恵を受けるものと考えられます。自動車の生産が促進され、ブレーキ部品、ラジエーター、その他の部品の製造に使用される石油化学製品の需要が増加しています。例えば、米国の投資銀行会社ゴールドマン・サックスの試算によると、新興市場における世界の新車販売台数は、2020年の6800万台から2025年には7800万台に増えることが予想されます。このように、自動車の成長は今後の石油化学製品の需要を増加させると思われます。

原油価格の大幅な下落や上昇は政府や個人消費から、石油化学製品市場にも悪影響を及ぼす可能性があります。原油価格の下落は、サウジアラビア、ナイジェリア、UAE(アラブ首長国連邦)など、原油輸出による収入に大きく依存している国の政府支出に悪影響を及ぼしています。一方、原油価格の大幅な上昇は、インドや中国など、原油を主に輸入している国のインフレ、経常赤字、財政赤字の急増を招いています。

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