ロボット手術装置の市場規模、2027年に116億5000万米ドル到達予測

ロボット手術装置の市場規模は、2022年の60億米ドルからCAGR14.1%で成長し、2023年に68億4000万米ドルとし、さらに、2027年に116億5000万米ドルに達すると予測されています。

ロシア・ウクライナ戦争は、COVID-19パンデミックからの世界経済回復の可能性を混乱させました。この2国間の戦争は、複数の国に対する、経済制裁、商品価格の高騰、サプライチェーンの混乱につながり、商品やサービス全体にインフレを引き起こし、世界中の多くの市場に影響を及ぼしています。

ロボット手術装置市場は、ロボット手術に使用されるロボットシステム、器具、付属品の販売で構成されています。ロボット手術装置は、複雑な低侵襲手術の正確かつ柔軟な実行を支援します。2022年のロボット手術装置市場は、北米が最大となり、西ヨーロッパは、2番目に大きな市場となりました。

ロボット手術装置市場の主な製品およびサービスは、ロボットシステム、器具および付属品、サービスです。手術の種類としては、泌尿器科手術、婦人科手術、整形外科手術、神経外科手術、その他があり、病院や外来手術センターで採用されます。

低侵襲(MI)技術への需要の高まりが、ロボット手術装置市場を牽引しています。低侵襲手術装置は、画像処理技術やカテーテル技術を備えており、身体のどの部分でも簡単に提供することができます。ロボット手術は、通常、低侵襲手術と関連しています。これらの技術は、主に心臓、腹腔鏡、整形外科、婦人科、泌尿器科の手術に使用されています。ロボット手術は、患者の入院期間(LOS)、痛み、合併症、職場復帰の時間、再手術を減らすために導入されました。Intuitive Surgical社の報告書によると、器具と付属品については、前年比24%の成長があります。ロボットシステムについては16%の成長を得ており、ロボット手術装置市場全体では13%~16%の成長率となっています。Intuitive Surgical社の推定では、同社のロボットシステムを使用した手術は120万件以上にのぼると言われています。患者の好みは変化しており、ロボット手術装置採用した、より価値の高い、費用対効果の高い外科手術が行われるようになっています。

一方、高価なロボット手術が市場の妨げになっています。ロボット手術は、多くの合併症を伴い、ロボットシステム/機器の操作、複雑な技術操作、メンテナンスに高度な訓練を受けた上級医を必要とするため、従来の手術方法と比較して比較的高価です。ロボットシステム1台の価格は約200万米ドルで、手術費用は約3000~6000米ドル程になります。ロボット手術装置の年間メンテナンス費用は、通常10万米ドル~17万米ドルかかると言われています。最大のロボット手術装置メーカーであるIntuitive Surgical社が提供するロボットアームが手術に使用する手術器具は使い捨てで、ロボット手術がより高額になる理由の一つとなっています。ロボット手術に関連する膨大なコストが、市場の成長を妨げています。

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