白血病治療薬の市場規模、2026年に207億7000万米ドル到達予測
白血病治療薬の市場規模は、2021年の138億8000万米ドルからCAGR10.07%で成長し、2022年に152億7000万米ドルとし、さらに2026年には207億7000万米ドルに達すると予測されています。
白血病治療薬市場は、事業体(組織、個人事業主、パートナーシップ)による、白血病の治療に使用される薬の販売で構成されています。白血病は、骨髄で始まり、無秩序な血球の増殖に進む血液がんの一種で、その治療は、年齢、全体的な健康のレベル、白血病のタイプ、体およびその他の状態など、さまざまなファクターに依存します。
白血病治療薬の主な治療法は、化学療法、免疫療法、標的治療などです。免疫療法は、白血病治療法の一つで、体の免疫系を刺激して悪性細胞を認識・排除させる方法です。これは、低分子化合物や生物製剤を用いて、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病などの白血病の治療に用いられます。白血病治療薬のエンドユーザーには、病院、在宅医療、専門クリニックなどがあります。2021年の白血病治療薬市場では、北米が最大地域となりました。アジア太平洋地域は、今後、最速で成長する地域になることが予想されます。
白血病の有病率の上昇は、白血病治療薬市場の成長を促進しています。世界中の白血病患者が医療を受けやすくなり、治療法の選択肢が増えたことが、白血病治療薬の需要増に寄与しています。例えば、米国国立がん研究所によると、米国における白血病の新規患者数は2020年の6万530例から2021年には6万1090例へと増加しました。白血病の有病率の上昇は、白血病治療薬市場の成長に寄与しています。
併用療法は、白血病治療薬市場で人気を博している新しいトレンドです。併用療法では、2つ以上のモダリティが他の免疫療法や標的療法と組み合わせて試験され、現在のアプローチでは得られない可能性のある長期生存利益をもたらすことが約束されます。例えば、2021年9月、米国のがん治療、研究機関であるダナファーバーがん研究所の臨床研究チームは、BCL-2阻害剤(venetoclax)、第2世代のBTK阻害剤(acalabrutinib)、CD20阻害剤(obinutuzumab)など3つの分子標的薬の組み合わせは慢性リンパ性白血病(CLL)に効果があると報告しています。
2021年11月、米国の製薬会社Pfizer社が、Trillium Therapeuticsを約22億2000万ドルで買収しました。今回の買収により、PfizerはTrillium社の次世代免疫治療薬を加えることで、がん領域のポートフォリオを強化することを目指しています。Trillium Therapeuticsは、カナダに拠点を置く臨床段階の免疫腫瘍学企業であり、癌治療法を開発しています。