研究用抗体および試薬の市場規模、2025年に62億4310万米ドル到達予測
研究用抗体および試薬の市場規模は、2020年の46億510万米ドルからCAGR6.3%で成長し、2025年には62億4310万米ドルに達すると予測されています。その後、CAGR5.3%で成長し、2030年には80億8580万米ドルに達すると予測されます。
この成長は、医薬品の研究開発費の増加、老年人口の増加、医療費の増加、政府研究費の増加、医療施設数の増加などに起因しています。
今後は、老年人口の増加、癌や慢性疾患の有病率の増加、研究開発費の増加、医療費の増加、プロテオミクス・ベンチャーへの融資の増加、カスタマイズ医療への要求の高まり、感染症の出現などが成長の原動力になると思われます。一方、その成長を抑制する要因としては、訓練された分子生物学者の不足、医療インフラの不足などが挙げられます。
技術別に、市場は、ウェスタンブロット、免疫蛍光、免疫組織化学、フローサイトメトリー、酵素免疫吸着測定法(ELISA)、その他に分類されます。ウェスタンブロット市場は、2020年に全体の23.7%を占め最大となりました。フローサイトメトリー市場は、2020年から2025年の間CAGR7.1%で急成長すると予測されます。
エンドユーザー別に、市場は、製薬・バイオテクノロジー産業、学術・研究機関、受託研究機関(CRO)に分類されます。学術・研究機関市場が最大セグメントで、2020年には全体の47.5%を占めました。製薬・バイオテクノロジー産業分野が2020~2025年のCAGR6.7%で最も成長すると予測されます。
用途別に、市場は、プロテオミクス、ゲノミクス、その他に分類されます。ここでは、プロテオミクス市場が最も大きく、2020年には全体の70.0%を占め、2020年から2025年の間CAGR6.4%で急速に成長すると予測されます。
地域別に、北米市場が最大となり、2020年に全体の34.1%を占め、アジア太平洋、その他地域がこれに続きます。市場で最も成長する地域は南米とアフリカで、それぞれCAGR9.8%と9.0%が見込まれます。さらに、東欧と中東がこれに続き、それぞれCAGR8.8%と8.2%の成長が見込まれます。
コロナウイルスの発生は、医療分野での抗体・試薬の需要から、研究用抗体・試薬市場にとっては有望な状況です。パンデミックの間、研究用抗体および試薬市場は、COVID-19診断のための研究および、COVID-19検査における研究用抗原に対する政府の支援において、抗体の使用が増加したことを経験しています。大手企業や研究機関が導入した抗体・試薬は、COVID-19検査の研究用抗体として政府機関から承認を受けています。