ポータブルエアコンの市場規模、2030年に12億2660万米ドル到達予測
ポータブルエアコンの市場規模は、2023年の7億8930万米ドルからCAGR6.5%で成長し、2030年には12億2660万米ドルに達すると予測されています。ポータブルエアコンは、家の中を簡単に移動できる、窓とプラグがあればどこにでも設置できる自己完結型の機械で、スタンドアップエアコンとも呼ばれています。通常、ポータブルエアコンの底には車輪が付いており、移動が容易になっています。設置の必要がない、穴あけやダクト工事が不要、携帯性が高く、価格も手頃で、エアコンの代替品として優れた利点が、市場の成長を後押ししています。
国立宇宙科学技術センター(NSSTC)によると、2019年11月は世界の多くの地域の平均気温が最も暖かかったと記録されており、快適な生活を送るためにも空調製品の使用が必須となっています。
牽引要因:環境に優しくエネルギー効率の高い商品への需要の増加
環境に優しい省エネ商品の人気の高まりにより、ポータブルエアコンの魅力が増しています。従来の家庭用およびオフィス用エアコンから漏れるHFC冷媒の排出は、環境に深刻な危険をもたらします。これらのガスは地球温暖化を促進し、気候変動を25%加速させる可能性があります。壁掛けエアコンに比べ、小型のパーソナルエアコンは、温暖化の進む地球に対して持続可能でエネルギー効率の高い選択肢を提供します。さらに、人々はより良い環境を求めており、住宅分野におけるポータブルエアコンのニーズが高まっています。人々は、空間の大きさに合った、梱包や輸送が容易なポータブルエアコンに出費する傾向があります。
抑制要因:経済性の問題
ポータブルエアコンは多くの場合、より多くの電力を使用します。これは、室外機がないことで、発生した冷気と一緒に暖かい空気も排出していることによるものです。実際、温風はほとんど感じられませんが、冷却の妨げになり、長時間つけっぱなしにすることが増え、電力コストが高くなります。さらに、ポータブルエアコンの最大の問題点は、広い部屋を冷やすには向かないことです。
市場機会:可処分所得の増加による需要拡大
可処分所得の増加は、ポータブルエアコン業界を牽引する主な要因です。生活水準が向上することで、中国やインドなどの新興国を中心に、多くの家庭が快適さをより身近に感じられるようになりました。また、高い冷却能力を持つポータブルエアコンは、ショッピングモールや広く閉鎖された空間でも使用することが出来ます。