電気自動車用電池の市場規模、2030年に2749億8000万米ドル到達予測

電気自動車用電池の市場規模は、2023年の687億5000万米ドルからCAGR21.9%で成長し、2030年には2749億8000万米ドルに達すると予測されています。電池は、電気化学プロセスを利用して化学エネルギーを電気エネルギーに変換する装置です。電気回路では、電子がある物質から別の物質に移動するときに電気化学反応が起こします。バッテリーは、電気自動車が必要とするモーターと充電システムのすべてのニーズを満たすために作られており、一般的な電気自動車のバッテリーパックは、18~30個の並列セルを直列に接続したクラスターで構成され、必要とされる推進電圧を生成しています。

欧州連合(EU)の「グリーンディール政策」によると、EVのシェアは増加しており、2030年にはリチウムイオン電池の需要をさらに押し上げるものと思われます。グリーンディール政策は、2050年までにカーボンニュートラルの目標を達成するため、2030年までの炭素排出量を50%以上削減することを目標としています。

推進要因:電気自動車への関心の高まり

従来の自動車に対する環境への懸念が高まる中、各国政府は代替燃料車の使用を支援しています。EV(電気自動車)はゼロエミッション車であり、環境に有益な公共交通機関として世界的に人気を集めています。いくつかの国の政府は、税金の免除や還付、補助金、EVの駐車料金や通行料金の減免、充電の無料化など、EVの使用を奨励する財政的インセンティブを提供しています。中国、米国、ドイツなどの主要EV市場は、EV充電インフラや、より高速で効率的な充電方法の研究開発に多くの投資を行っています。

抑制要因:原材料不足の可能性

中国は全てのリチウムイオン電池の75%、正極製造能力の70%、負極製造能力の85%を供給しています。一方、欧州では総組み立てのおよそ4分の1を担当しているものの、そのうちの20%を占めるコバルト加工はわずかなサプライチェーンにすぎません。さらに、韓国と日本は、原材料加工の下流にあるサプライチェーンの多くを占めています。パンデミックによるEV販売の急増は、正極材と負極材の高度な技術を必要とする製造を中心とした、サプライチェーンの耐久力にストレスを与えました。COVID-19期間中の電池生産施設の閉鎖や、電池サプライチェーンに関わる国家間の政治的緊張が原料不足を招き、市場拡大が妨げられることが予測されます。

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