組み込み型金融の市場規模、2028年に1495億米ドル到達予測
組み込み型金融の市場規模は、2022年の543億米ドルからCAGR18.4%で成長し、2028年には1495億米ドルに達すると予測されています。金融商品以外の顧客体験、ジャーニー、プラットフォームに金融商品を組み込むことは、組み込み型金融として知られています。ノンバンクは長年にわたり、小売チェーン、食料品店、航空会社などで、プライベートブランドのクレジットカードを通じて金融サービスを提供してきました。小売店での家電製品の販売融資や、ディーラーでの自動車ローンも、組み込み型金融の代表的な例です。この種の契約は、それをサポートする銀行がエンドユーザーとコミュニケーションをとるためのパイプ役を果たしています。ビジネス、消費者、加盟店の行動における根本的な変化と技術の進歩が、組み込み型金融を可能にしています。
2022年5月に行われたアイオン・バンクの調査によると、欧州の小売業者の約74%が組み込み型金融を顧客に提供しています。
牽引要因:電子商取引サービスの増加
世界中で電子商取引とオンラインショッピングが拡大し、市場成長の原動力になることが予想されます。これは、eコマースプラットフォームに金融サービスが組み込まれ、シームレスで実用的な顧客体験が可能になったことに起因しています。eコマース事業には、決済、融資、保険などの金融サービスが組み込まれています。例えば、Amazon.comやWix e-commerceを含む多くのe-commerceサイトでは、即時に購入オプションを使って後払いするオプションを提供しています。その結果、組み込み型金融業界の急成長が期待されています。
抑制要因:銀行における新技術の採用の遅れ
組み込み型金融の主な実現要因には、オープンバンキング、BaaS、決済APIなどが欠かせません。これらはどれも、組み込み型金融が経済的に実行可能なレベルまで成長しているものの、すべての市場について当てはまるわけではなく、組み込み型金融の将来性は保証されていません。さらに、銀行のような金融機関は、新しいテクノロジーを採用するのが遅く、現在でも多くの銀行が旧式のシステムに依存している状況です。銀行にとって、組み込み型金融は、非フィンテック企業と協力した上で、エンドユーザーにとってあまり重要でない役割を担うことを意味しています。この事が、組み込み型金融の今後の拡大を妨げる一因となる可能性があります。