セメントの市場規模、2028年に5601億米ドル到達予測

セメントの市場規模は、2022年の3530億米ドルからCAGR8.0%で成長し、2028年には5601億米ドルに達すると予測されています。多くの建物はセメントで造られます。セメントは灰色の鉱物を粉砕した粉で、泥灰土、粘土、石灰岩の混合物を粉砕し、水と合わせて密な塊を形成することで、結合材として機能します。耐久性や強度に優れ、住宅や土木、工業団地などの大量生産に広く利用されています。人口増加に伴い、住宅建築の需要も増加しており、公共インフラや病院・医療施設などの非住宅建築物の需要の高まりにより、その消費量は増加し続けています。

日本の国土交通省によると、2021年の新設住宅着工戸数は3年ぶりに増加しました。2021年の新設住宅着工戸数は86万5909戸で、2020年から6.6%増加しました。2021年の注文住宅着工戸数は28万1279戸で前年比6.9%増加しています。一方、賃貸住宅は33万7752戸で2020年比9.2%増と5年ぶりに増加しました。

牽引要因:グリーンセメント使用拡大による潜在成長率の向上

セメント産業の成長は、持続可能で環境に優しい構造物の建設におけるグリーンセメントの使用によって後押しされると思われます。排出ガスがもたらす脅威を最小化する努力の一環として、生産工程を変更して排出ガスを大幅に削減することができます。この製品は、低公害のユニットオペレーション技術を使うことで、カーボンマイナスで製造されます。生産に関連する二酸化炭素の排出を低減することで、生態系への本質的な懸念に対処した持続可能なソリューションです。

抑制要因:炭素排出量に対する政府の規制

石灰岩、チョーク、貝殻、頁岩、粘土、珪砂が製造の主原料として使用されており、環境と人の健康にさまざまな有害な影響を与えます。粉塵の粒子は鼻や喉を刺激し、呼吸を困難にさせます。また、この製品を製造する際に発生する汚染も多大で、窒素酸化物、二酸化硫黄、一酸化炭素の年間排出量は500キロトンを超えています。セメント部門は、米国環境保護庁によって産業汚染原因の第3位にランクされています。これらの懸念から、政府はセメント製造工程にさまざまな環境規制を課しています。

市場機会:建設活動によるニーズの高まり

アパートや民間のバンガローのような居住空間のニーズが高まっており、人口増加も同市場の拡大に大きな影響を与えています。また、居住空間におけるアメニティへのニーズが高まっていることから、市場規模の拡大が予想されます。さらに、モール、空港、産業、高速道路、オフィスビルなどの非住宅用構造物の需要増加により、市場規模はさらに増加するものと思われます。

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