メディカルツーリズムの市場規模、2028年に752億2460万米ドル到達予測

メディカルツーリズムの市場規模は、2022年の228億1400万米ドルからCAGR22%で成長し、2028年には752億2460万米ドルに達すると予測されています。メディカルツーリズムは、自国では提供されていない医療を受けるために海外に渡航することで、一流の医療を求める患者は、最先端の医療インフラが整った先進国に集まります。医療費は国によって大きく異なるため、メディカルツーリズムの対象となる地域は、価格や優れた医療へのアクセスにより、その可能性が左右されます。可処分所得が増加する多くの新興国において、メディカルツーリズム市場は活況を呈しています。

メディカルツーリズム協会(MTA)によると、毎年約1400万人が医療を受けるために海外に渡航しています。世界観光機関によると、2020年のアジア太平洋地域の観光客数は、2019年と比較して84%減少しています。米国顔面再建外科学会(AAFPRS)の外科医の2021年7月の調査によると、フェイスリフト、アイリフトなどの予約や治療が増加しています。

牽引要因:安い医療費

裕福な国では、医療サービスの価格は比較的高価です。低開発国では、薬剤、人件費、旅費・宿泊費の安さにより、先進国よりも医療費全体が低く抑えられます。これらの国でも、医療水準が低下することはなく、裕福な国が提供するものと同程度の治療が受けられます。好ましい規制環境と低コストにより、メディカルツーリズムの市場規模は拡大することが予測されます。

抑制要因:医療処置後のフォローアップの難しさ

患者が海外で治療を受ける頻度が高まる一方で、手術が終了した後、術後に問題が発生した場合に備えて、患者は手術を受けた国に長期間滞在することが不可欠になります。それが不可能な場合、患者は指定された国に移動し、迅速な治療を受けなければならず、この事が、メディカルツーリズムの需要を大きく制限することになります。また、手術後に飛行機で移動する必要があることや、帰国後の医療機関へのフォローアップが難しいことも、市場の成長を抑制する可能性があります。

市場機会:インバウンド医療旅行の拡大

医療機器、手術技術、ウェアラブルヘルスケア、コネクテッドヘルスケアなど、ヘルスケア分野における技術進展により、価値ベースのケアに向けた医療施設の改善が進みつつあります。情報通信技術、遠隔医療、遠隔健康管理などにより、世界中の患者が簡単に予約を取り、医師に相談し、質の高い医療を受けられるようになっており、低開発国へのインバウンドツーリズムの割合が増加しています。安価な治療とアクセスのしやすさに需要が集まっています。

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