スポーツ用品向け複合材料の市場規模、2028年に66億2,000万米ドル到達予想
スポーツ用品向け複合材料の市場規模は、2021年の41億7,000万米ドルからCAGR6.8%で成長し、2028年には66億2,000万米ドルに達すると予想されています。スポーツ用品向け複合材料とは、スポーツ用品の製造に使用される繊維で、強度を高め、コストを下げ、重量を減らすために使用されます。複合材料は、2つ以上の材料を組み合わせたもので、衝撃吸収性に優れているため、スポーツ用品を製造する際の原材料として使用されています。
牽引要因:軽量化素材の需要拡大
複合材料は、チタン、合金、高張力鋼など、従来の材料とは対照的な高い強度対重量能力を発揮するため、効率的で多様なデザインの創作に役立っています。炭素繊維やガラス繊維は、軽量で優れた機械的性能を持ち、デザイン、強度、剛性などの面で多様性があるため、従来の材料に代わるものとして考えられています。スポーツ用品メーカーは、炭素繊維の使用を増やしています。これらの複合材料は、主にスキーやスノーボード、ホッケー用スティックの製造、自転車やラケットなどに使用されます。テニスラケットでは軽量化とスイートスポットの拡大、ホッケースティックでは軽量化とキックポイントの調整によるエネルギー伝達の向上、釣竿では軽量化と感度と精度の向上が図られています。効率性の向上と軽量化は、スポーツ用品に複合材を使用する最大の理由であり、運動性能を高め、怪我の危険性を低減させます。
抑制要因:高いコスト
原材料や副資材のコストは常に上昇しており、運賃や物流費、包装費の増加もあり、樹脂の価格が高騰しています。特殊品は、汎用品より高額ですが、価格よりも性能で勝負しています。例えば、Owens Corning社やCertex社などの企業では、ガラス繊維の価格は上昇しており、市場の成長を制限することが予想されます。一方、生産量の増加に伴い、製造プロセスが進歩しているため、ガラス繊維の価格は、今後下がることも予想されます。
脅威:リサイクルに関する懸念
複合材料は多くの最終産業で使用され、軽量化と性能向上に役立っています。しかし、使用された複合材料のほとんどは埋立地で処理されることでわかるように、複合材のリサイクルの難しさは、メーカーが直面する大きな脅威です。欧州連合(EU)の多くの国は、複合材廃棄物の埋め立てを禁止しており、企業は、地球温暖化を抑制するため、温室効果ガスの排出を削減するための可能性を探っています。