医用画像におけるマシンラーニング市場、2024年に15億米ドルに到達予測 専門分野別では循環器内科が規模、成長率ともに最大

医療用画像処理に使用されるAIベースの臨床アプリケーションの市場は、想定以上の普及の遅れやCOVID-19パンデミックの影響にもかかわらず、2024年までに約15億米ドルに達すると期待されています。パンデミックが沈静化し、AIベースの臨床ソリューションに対する顧客の信頼が高まるとともに市場の成長は加速し、2022年にはCAGR44%で成長すると予測されています。

同市場は、トリアージを含む自動検出、定量化、および放射線所見の分類のためのソフトウェアソリューションで構成されています。いくつかの技術的・商業的障壁があるため、業界専門家が予想したほど急速な成長には至っておらず、COVID-19の世界的なパンデミックの影響を受けさらに後退しました。臨床現場でのAIの有用性、臨床検証の欠如、ワークフロー統合の課題、限られた診療報酬など、市場への導入を阻むこれらの障壁は、放射線部門でのAIの利用が主流になる前に完全に対処する必要があります。

しかし、一方で、市場は非常にダイナミックで急速なペースで進化し続けている、との見解も存在します。

製品の発表が頻繁に行われており、規制当局が承認した製品の有用性が加速しています。2018年以降、米国FDAの承認を得ているAIベース医療用画像診断用臨床アプリケーションは60件近くあり、同数のソリューションがCEマークの承認を得ています。

また、2019年のAIベース医療用画像診断用臨床アプリケーションのうち、86%を4つの臨床専門分野が占めました。市場規模の大きい順に、循環器内科、神経内科、乳房内科、肺内科になります。中でも循環器内科が最大の収益成長を遂げており、次いで肺内科の順となっています。さらに、2024年も、この4つの臨床分野が市場の75%以上を占めると予測されています。また、その他の臨床分野、特に前立腺や肝臓の画像診断では、AIソリューションの新製品の導入が増加しています。

生産性および診断精度の向上から、AIは放射線科医の仕事量の需要を満たすために、個別化された治療計画や臨床結果の改善に至るまで、重要な役割を果たすことになります。多くの国での放射線技師の不足と相まって、国家的なロックダウンによる画像検査の未処理分が増加しており、放射線学におけるAIの必要性をさらに高めています。

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