リチウム市場:COVID-19の影響を受けるもその後は堅調な成長予測、2027年のLCEは100万トン超の見込み

価格サポート

炭酸リチウムと水酸化物の価格は2019年を通じて下落傾向を示し続け、1月から12月にかけて月平均価格は36%下落しました。2020年第1四半期の傾向として、月平均価格はさらに下落し、2014年以来初めてUS$7000/t Li2CO3まで下落し、リチウムイオン電池業界の強い需要拡大予測と供給量の不確実性による価格上昇に反した結果になりました。価格上昇がサプライチェーン全体の生産能力の向上を促したように、価格の下落は、鉱山製品から精製化合物に至るまで、ほぼすべての生産者にストレスを与え、生産量の削減や停止を引き起こしました。

自動車用バッテリー需要の上昇と下落

自動車用途での大型リチウムイオン電池の利用増加に伴い、二次電池業界からのリチウム化合物の需要は、2010年代を通して力強い成長を示しました。2019年には、二次電池がリチウム需要全体の54%を占め、そのほとんどがリチウムイオン電池技術によるものとなっています。ハイブリッド車や電気自動車の販売が急増したことでリチウム化合物の需要が注目されるようになったものの、EVの最大市場である中国での2019年下半期の販売減、2020年上半期のCOVID-19パンデミックに関連した世界的な販売減は、リチウム需要の成長に短期的な区切りをつけ、電池用途と産業用途の両方からの需要に影響を与えています。しかし、長期的なシナリオでは、今後10年間のリチウム需要は引き続き堅調な伸びを示しており、2027年のLCEは100万トンを超え、2030年までに18%以上の成長を遂げると予測しています。

炭酸塩vs水酸化物

電池用途がリチウム需要を支配していることから、市場は自動車用バッテリーの仕様を満たす製品を提供することに一層注力すると予想されます。バッテリーのエネルギー密度を高めるための高ニッケル正極材へのシフトは、水酸化リチウムの需要拡大を加速させていますが、炭酸リチウムよりもコストが高いため、一部の消費者は原料の切り替えに消極的です。炭酸リチウムと水酸化リチウムのバランスは、リチウムイオン正極材の需要に大きく依存しますが、水酸化リチウムが主要なリチウム化学物質になると予想されます。

供給の混乱

2018年及び2019年に観察された採掘されたリチウム製品の供給過剰の修正が進行中です。2019年末時点では、スポジュメン精鉱に含まれる3万トンを超えるLCEが備蓄されていると考えられています。スポジュメン精鉱価格の低迷が続いていることから、リチウム鉱物事業は、回収率、ストリップ比率、および現場グレードの改善を通じて生産コストの削減を目標としています。リチウム価格の低下は、リチウム塩水・鉱石転換施設の販売収入に影響を与えましたが、2019年の生産コストはほぼ安定しています。

今後の見通し

長期的には、バッテリー用途を中心とした需要の増加に対応するために、採掘・精製されたリチウム製品の生産能力をさらに増強する必要があります。パイプラインの容量は、増加する需要に対応するには十分に思われても、リチウムの採掘・精製事業の開発、資金調達、試運転には、依然として今後も課題や後退が予想されます。主要な大手リチウム生産者でさえ、生産目標と拡張計画を達成できないリスクがあり、大量の新規生産能力をオンラインにするための技術的・財務的なハードルが浮き彫りになっています。将来の精製リチウムの供給は引き続き逼迫し、2020年代半ばには供給不足が続くと推測されます。

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