医療機器用電池市場、2030年まで成長の見込み

医療機器市場は、現在、ヘルスケア産業の中で大きな位置を占めています。医療機器市場は、慢性疾患の増加や技術の進歩を背景に、今後数年間で目覚ましい成長を遂げると予測されています。FDA(米国食品医薬品局)のCDRH(Center for Devices and Radiological Health)によると、現在、米国市場だけでも約17万5,000種類の医療機器が存在しています。実際、2019年以降、55種類近くの医療機器がUSFDAによって承認され、医療機器に焦点を当てた臨床試験が全世界で7,000件以上登録されています。補聴器、植込み型心臓除細動器、輸液ポンプ、神経刺激装置、ペースメーカーなどのウェアラブル医療機器やインプラントが急激に増加していることから、サイクル寿命が長く、安全で小型・軽量・高エネルギー密度の電池の需要が高まっています。バックアップ電源、携帯性、ユーザーの快適性など、電池には多くの利点がありますが、電池の早期消耗(医療機器の誤作動につながる)、過充電や高温にさらされた際の発熱、電解液の漏れによる毒性など、安全面での懸念が世界の医療機器用電池市場の成長を妨げる要因となっています。

これらの課題を解決するために、多くの企業が先進的な電池技術を開発しています。実際、過去5年間に医療機器用電池に関連する450件近い特許が出願・取得されており、この分野での技術革新に向けた継続的な努力が示されています。現在、インプラントやウェアラブル医療機器に特化した930種類以上の医療機器用電池が、様々な用途のために複数のプレイヤーによって開発されています。医療機器メーカーは、現在の製品ポートフォリオを差別化するために、また、新しい製品カテゴリーを導入するために、新しい電池を使用し始めています。世界的な心臓病の増加は、世界の医療機器用電池市場の成長を促す重要な要因の一つです。さらに、フィットネスに対する意識の高まりにより、ウェアラブルデバイス用電池の使用が大幅に増加し、今後10年間の市場成長を促進すると予想されています。

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