眼科用医薬品の開発・製造業務、受託製造業者に委託の傾向 市場投入までの期間の短縮、商業的リスクの大幅な軽減などがメリット

加齢黄斑変性症、白内障、糖尿病網膜症、ドライアイ、緑内障などの眼科疾患は、世界中で視力低下の主要な原因と考えられています。2019年に発表された世界保健機関(WHO)の報告書によると、世界では少なくとも22億人の視覚障害者の存在が報告されています。実際、2020年までに、失明の影響を受ける人は、7500万人まで増加すると予測されています。さらに、視覚障害に関連する経済的負担の総額は、2030年までに米国だけで約3840億米ドルに達すると予想されています。慢性的な眼疾患の罹患率と有病率の上昇を受けて、医学研究コミュニティは、様々な眼科治療薬の開発を積極的に進めています。現在の眼科疾患治療は、ALPHAGAN®、COSOPT®、LUMIGAN®、PAZEO®、RESTASIS®、TRAVATANZ®、XALATAN®といった多くのブロックバスター治療薬と、約1000の慢性眼疾患の治療を目的とした、臨床開発段階の400以上の候補薬の強力なパイプラインを特徴としています。

製造需要の増大、専門的な設備、運営の専門知識の必要性、特定の医薬品・治療法に関連した開発コストの高さなど様々な理由から、多くのイノベーター企業が眼科用医薬品の開発・製造業務の一部を受託製造業者に委託する傾向にあります。製造委託機関(CMO)および開発・製造委託機関(CDMO)は、設備投資の削減、より大きな生産能力へのアクセス、市場投入までの期間の短縮、商業的リスクの大幅な軽減などの大きなメリットを提供することが知られています。2000年以降、眼科領域に特化したCMOが75社以上新たに設立されました。厳しい競争の中で、最先端のツールや技術が利用できることが差別化要因として浮上し、特定の CMO が競争上の優位性を持つようになってきました。このため、多くのサービスプロバイダーは、戦略的な買収や施設・能力の拡張を通じて、それぞれのサービスポートフォリオを積極的に拡大しています。時間の経過とともに、多くのCMO・CDMOは、医薬品開発(予備研究開発、前臨床試験、臨床試験を含む)から規制当局への申請、商業規模の生産に至るまで、エンド・ツー・エンドのサービス能力を開発しました。

上述の事実に照らして、アジア太平洋地域(インド、中国、日本など)に拠点を置くいくつかのCMOは、世界の眼科用原薬及びFDF製造において重要な役割を果たしています。最近のCOVID-19パンデミックによるサプライチェーンのシナリオの変化は、短期的には中国を含む世界の受託製造業界に大きな影響を与える可能性が高いと考えています。コロナウイルス発生後の製薬企業の本格的な操業再開に伴い、大規模な受託製造が拡大することが予想されます。

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