抗がん剤治療におけるCAR-T細胞療法、170社が開発に取り組む

がんは、世界的に見ても主要な死因の一つです。実際、世界保健機関(WHO)によると、2020年には1000万人のがん関連死が報告されています。さらに、2040年末までには、新たに2750万人のがん患者が発生し、がん患者本人、その家族、地域社会、国の医療制度に多大な肉体的、精神的、経済的負担をかけると推定されています。病気の進行を抑え、悪性細胞が全身に広がらないようにするために多くの治療法がありますが、持続的な寛解を得ることはまだ困難な状況です。そのような中、より標的を絞った抗がん剤の開発に積極的に取り組んでいるCAR-T細胞療法は、副作用を最小限に抑えながら腫瘍細胞を体外に排出できることから、有望な選択肢の一つとして注目されています。さらに、CAR-T免疫療法は、抗がん剤治療の中でも比較的最近追加された治療法で、大きな可能性を示しています。実際、この極めて有望で特異なCAR-T細胞療法は、ヒト免疫系の多様なエフェクター機構を利用し、世界的にがん治療に革命をもたらしています。開発および発売される細胞療法の数が一貫して増加していることを考えると、この新治療分野はバイオ医薬品業界で最も評価の高い市場の1つになりつつあります。

現在、KYMRIAH®(Novartis)、YESCARTA®(Gilead Sciences)、TECARTUS™(Gilead Sciences)、Breyanzi®(Bristol Myers Squibb)、Abecma™(Bristol Myers Squibb)およびCARVYKTI™(Janssen Biotech / Legend Biotech)など5つ以上のCAR-T療法が複数の血液悪性腫瘍に対して承認されています。世界では170社以上の企業が970種類以上の初期および後期段階のCAR-T細胞療法の開発に取り組んでいます。さらに、今後10年間で有望なリード製品が商業的に発売されることが予想されており、その後、市場は大きなペースで成長すると予測されています。近年、CAR-T細胞療法に関連する6500件以上の特許が出願/取得され、この領域における継続的な技術革新が実証されています。さらに、様々なパイプライン候補の開発を進めるために、260件以上の産学連携が結ばれています。製品開発のための資金を提供するために、ここ数年、様々な民間および公的セクターの投資家により、240億米ドル以上の資本投資が行われました。この分野における継続的な技術革新のペース、投資家からの十分な財政支援、有望な臨床試験の結果などに後押しされ、CAR-T細胞療法市場は予測される将来において大きな成長を遂げる可能性があります。

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