TCRベース治療薬市場、2030年まで大きく成長見込み

市場の概要

がん細胞には固有の不均一性があり、また腫瘍微小環境には免疫抑制作用があるため、がん疾患に対する有効かつ効果的な治療法を設計することは困難です。しかし、標的細胞を用いた免疫療法は、がん患者の治療に大きな可能性を示しています。TCR(Modified T-Cell Receptor)ベースの治療法は、細胞ベースの治療法の中でも特に有望な治療法です。その腫瘍細胞殺傷効果は、主に、TCRががん特異的抗原にあらかじめ感作されていることに起因すると考えられます。これにより、このような治療法は、治療関連の副作用を最小限に抑えながら、宿主の体内から腫瘍細胞を選択的に標的として除去することができます。この方向性で現在進行中および計画中の臨床研究は、主にさまざまな血液がんや固形がんを対象とした過去の臨床試験で得られた有望な結果に基づいています。TCR治療は、CAR-T細胞やTILなどの他のT細胞治療と同様に、臨床症状の根本的な原因(または主要な媒介因子)を標的としています。さらに、この新たな生物製剤は、低分子医薬品では不十分な場合でも、がんおよび非がん疾患の両方において、満たされていない薬理学的ニーズに応える可能性を秘めていると考えられています。現在のTCRベースの治療薬市場は、150近くの候補治療薬からなる健全で成長中のパイプラインを特徴としています。そのうち、GSK3377794(グラクソ・スミスクライン)、IMCgp100(イムノコア)、YT-E001(チャイナ・イムノテック・バイオテクノロジー)、ADP-A2M4(アダプトイミューン・セラピューティクス)など、15種類以上の治療薬が開発を進めています。

現在、抗原感作型TCRベースの細胞療法の開発および臨床評価に携わっていると主張する企業は、世界全体で100社以上にのぼります。この分野への関心の高まりは、様々な業界プレイヤーと学術/研究機関との間のパートナーシップ活動の顕著な増加(過去10年間だけで120件近くの取引が成立、CAGR 29%)にも表れています。TCRベースの治療薬のパイプラインは、がんに対する効果的な治療法の必要性から、今後も着実に成長していくものと思われます。さらに、臨床的な成功は、現在進行中の治療法開発の取り組みを支援する投資を呼び込む可能性があります。このように、TCRベースの治療薬の世界市場は、将来的に大きな成長を遂げることが期待されています。

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