中国のインテリジェント路側認識の市場規模、2025年までに400億元に到達予測

大幅な政策支援で100億人民元のインテリジェント路側認識市場が本格化

インフラ協調型車両システムの進展に伴い、中国政府と業界は、車両のみではなく、インフラと車両の協調開発を優先すべきだとの考えに至りました。2020年だけでも、中国ではインテリジェント路側建設のための複数の政策が発表されました。その中で、2020年8月に発表された「交通新インフラ建設促進指導意見書」では、交通業界にユビキタス認識設備を十分に浸透させるべきだと明記されています。2020年8月に発表された路側設備に関する協会基準「車両インターネット(IoV)路側設備レイアウトガイド」では、C-V2XをベースとしたIoV交通事情におけるIoV路側設備のレイアウトを明記し、路側設備とクラウド設備の統一化をさらに推進しようとしています。

政策支援を受けて、レーダー、カメラなどを含む、中国のインテリジェント路側認識市場は急速に拡大しており、2025年までに400億元の規模になると予測されています。市場では、LiDARの導入コストが最も高く、1セットで数万元に上ります。しかし、LiDARは、ターゲットの属性を正確に認識し、カメラと組み合わせることで、正確で信頼性の高いデータを提供できるため、路側のシナリオ、特に複雑な交差点では、優れたパフォーマンスを発揮します。しかし、路側でのLiDARの採用は始まったばかりで、大規模に使用されるには至っていません。大々的に展開されるようになれば、LiDARの価格は急落することが考えられます。

インテリジェント路側施設:莫大な社会的利益が政府の投資を誘う

自律走行車のセンサーコアの検出範囲は限られており、超長距離、交差点、死角など、周囲の状況を非直線的に認識するには至っておりません。そのため、車両周辺の検知範囲を広げ、自律走行をより安全で確実なものにするためには、高機能な路側認識が必要になります。

現段階では、カメラ、LiDAR、レーダーなどが路側認識装置をリードしています。VanJee Technology Co. Ltd.、China TransInfo Technology Co. Ltd.、Changsha Intelligent Driving Institute Ltd.などの企業は、認識、伝送、計算の3つのシステムをカバーする製品ラインを持っており、路側認識システムを順調に展開しています。また、路側認識装置は、信号柱やインテリジェント電柱などに直接取り付けることができます。

単一の認識デバイスでは限界があるため、中国のベンダーは、24時間、多彩な道路環境情報を正確に認識する、マルチセンサーフュージョンソリューションの開発に精力的に取り組んでいます。例えば、VanJee Technology Co, Ltd.は、LiDARの欠点をカバーするために、道路上の3D LiDARとカメラ間のデータ融合に取り組み始めており、認識能力の向上を図っています。

本記事に関するお問い合わせ先:株式会社グローバルインフォメーション
お問い合わせフォーム:www.gii.co.jp/form/inquiry
お電話:044-952-0102
受付時間 9:00-18:00 [ 土・日・祝日除く ]