生体内毒性試験の市場規模、2025年に66億米ドル到達予測

生体内毒性試験の市場規模は、2020年の50億米ドルからCAGR5.5%で成長し、2025年には66億米ドルに達すると予測されています。市場成長の主な要因は、医薬品の研究開発の活発化、動物モデルの革新、専用の生体内毒性試験の開発、個別化医療の需要の高まりが挙げられます。

COVID-19が生体内毒性試験市場に与える影響

COVID-19の発生は、前例のない世界的な公衆衛生上の課題であり、ワクチン開発への注目が高まっていることから、生体内毒性試験市場に大きな影響を与えることが予想されます。WHOによると、COVID-19に対しては、世界各国で20種類以上のワクチンが開発されています。これらのワクチンは前臨床段階にあり、一部のワクチンはすでに動物実験段階に入っています。このことから、COVID-19用動物モデルの市場需要は高まっており、特に気道などの上皮にヒトACE2を発現し、致死的なSARS-CoV感染症を発症するヒト化ACE2(hACE2)マウスの需要が高まっています。しかし、動物モデル提供者は、急増する需要に対応できる量のマウスを持っていないため、現在の供給は限られています。しかし、政府や科学研究機関が、治療法やワクチンへの研究投資を増やす事が考えられ、COVID-19に対する治療薬やワクチンの需要が急増していることから、生体内毒性試験市場は拡大すると予想されます。

牽引要因:製薬会社の研究開発活動の活発化

ヘルスケア市場のダイナミクスな変化により、製薬企業やバイオテクノロジー企業は、単なる増分的な利益ではなく、真の価値を提供する製品を開発する必要に迫られています。そのため、多くの製薬会社や医療機器メーカーが、技術革新や研究開発の効率化に注力しています。研究開発には失敗のリスクがつきものです。探索段階で合成された1万個の化合物のうち、前臨床段階に到達するのは250個で、最終的にFDAで承認されるのは1個という試算もあります。したがって、医薬品開発の初期段階で失敗した分子の消耗を抑えることは非常に重要になります。研究開発の主な目的は、前臨床段階の化合物の受容性を高めることにより、第I相候補の承認の可能性を高めることにあります。医薬品開発の初期段階における研究開発投資の増加は、医薬品がより高価な臨床段階に到達する前に、生体内毒物検査法の使用を増加させる可能性があります。

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