自動車用トラクションモーターの市場規模、2026年に173億米ドル到達見込み

自動車用トラクションモーターの市場規模は、2021年の41億米ドルからCAGR33.7%で成長し、2026年には173億米ドルに達すると予測されています。電気自動車の需要の増加、高性能モーターの製造、政府の政策支援などが市場を牽引する要因となっています。電気自動車の技術的進歩は、トラクションモーターの需要拡大に大きな役割を果たしています。これらの新技術は、世界中のEVメーカーの注目を集めています。

COVID-19の自動車用トラクションモーター市場への影響

COVID-19の発生は、新車の生産と販売に世界規模の影響を及ぼしました。一方で、電気自動車の販売は良好でした。2020年に販売されたEV数は、2019年に販売されたEVの総数を上回りました。しかし、部品製造にはマイナスの影響があり、小規模なTier II およびTier IIIメーカーは資金繰りの問題に直面しました。2020年後半から業界は緩やかな回復を見せ、BEVおよびPHEVの世界出荷台数は前年比43％増となりました。中国では、2020年後半にNEV販売が回復し、7月から12月までの成長率は前年同期比80％以上となりました。米国では、テスラのModel-Yが発売されたにもかかわらず、EV販売台数は4％の増加にとどまりました。日本、カナダ、オーストラリアでは、EV販売台数の減少が見られました。パンデミックは主要プレーヤーの収益に影響を与えましたが、多くの国で電気自動車の販売が増加したため、2020年の自動車用トラクションモーター市場は全体的に成長しました。今後の供給契約や新製品の開発により、2020年以降は着実な回復が見込まれ、市場の成長をさらに後押しするものと思われます。

牽引要因：高性能モーターの需要増加

モーター設計の高度化、許容範囲の拡大、優れた磁性材料の使用などにより、モーターの高効率化が求められています。小型でエネルギー効率の高いモーターの需要が高まっています。電気牽引用モーターは主に電気自動車に使用されます。永久磁石モーターは、誘導（非同期）モーターに比べて高効率、高出力密度、小型軽量であることから、電気自動車の駆動用モーターとして広く使用されています。また、大型のモーターに比べて小型のモーターは、安価で効率が良く、使い勝手が良い傾向にあります。高性能な永久磁石式IE4/IE5モーターは、永久磁石の特性を最大限に活かしています。