統合型マリンオートメーションシステムの市場規模、2025年に78億米ドル到達予測

統合型マリンオートメーションシステムの市場規模は、2020年の49億米ドルからCAGR10.0%で成長し、2025年には78億米ドルに達すると予測されています。同市場は、海上貿易の拡大、ソフトウェア開発の増加、状況認識の需要などを背景に成長を遂げています。しかし、サイバー攻撃に伴う脆弱性は、市場成長の大きな抑制要因と考えられます。

COVID-19による統合型マリンオートメーションシステム市場への影響

国際海運会議所(ICS)によると、国際貿易の約90%を海上船舶が占めています。COVID-19パンデミックにより、関連企業はビジネスの継続と船隊の最適化のために、リモートワークやデジタル技術の導入を余儀なくされています。例えば、海運会社や相手先商標製品メーカーは、予知保全、インテリジェントスケジューリング、リアルタイム分析、パフォーマンス向上のために人工知能を活用しています。現在、DNV GLのような企業は、4分ごとに電子証明書を発行しており、顧客の80%がスマートな調査予約のためにデジタルツールを使用すると回答しています。DNV GLは2018年以降、1万7400件の遠隔調査を完了し、そのうち半数以上が過去6カ月間に行われています。コロナウイルスによる渡航制限が実施されて以降、DNV GLは週に平均300件の遠隔調査を実施しています。

牽引要因:ソフトウェア開発の増加

ソフトウェアは、船舶において重要な役割を果たしています。船舶の円滑な運航、船舶のタイムリーな運航状態の監視、効果的な船舶交通管理などを実現します。AI技術を用いたソフトウェアの開発が進んでいることから、統合型マリンオートメーションシステムの成長が期待されています。

抑制要因:サイバー脅威に伴う脆弱性

船舶の自動化は、これらの船舶が航海中に衛星ルートをたどるため、サイバー脅威のリスクを高めます。今後数年間で、船舶の運航者は、船舶を陸上のネットワークに接続することが予想されます。自動化システムの導入は、船舶の完全な自動化への第一歩であり、ローカルネットワークを介して船舶の重要なサブシステムを相互に統合することを可能にします。スマートシップの開発にビッグデータ分析を活用することで、船舶の運用効率と安全性の向上が期待されています。一方、この自動化によって、船舶はハッカーの脅威にさらされやすくなります。オンラインでの脅威や潜在的な攻撃の事例が世界中で増加している中、国際海事機関(IMO)の海事安全委員会(MSC)は、船舶のシステムに対するサイバー攻撃を防ぐための暫定的なガイドラインを導入しました。

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