水溶性フィルムの市場規模、2025年に4億7600万米ドル到達見込み 農業分野で農薬包装用に需要増加

水溶性フィルムの市場規模は、2020年の3億6400万米ドルからCAGR5.5%で成長し、2025年には4億7600万米ドルに達すると予測されています。水溶性フィルムは、ポリビニル樹脂から製造され、PVA・PVOHフィルムと同義です。これらのフィルムは、洗剤、農薬、水処理薬品、食材、医薬品、染料などの特定の単位用量の包装に使用されます。また、刺繍やランドリーバッグの製造にも使用されています。製薬業界の成長が水溶性フィルムの需要を牽引しています。

グリーン調達政策に対する各国政府の積極的な姿勢や、環境に優しいパッケージや農業・堆肥産業における消費者の嗜好の変化は、水溶性フィルムの高い需要をもたらす要因となっています。また、農業生産高の増加は、農薬包装用の水溶性フィルムの採用につながります。

COVID-19の水溶性フィルム市場への影響

COVID-19パンデミックは、世界中のほぼすべての分野に影響を与えています。水溶性フィルム市場は、サプライチェーンの混乱によりマイナスの影響が予想されます。同市場は、洗剤、水処理薬品、医薬品、食品・飲料業界に大きく依存しています。

成長する医薬品業界

新興国の医薬品産業が急速に成長しています。高度な製造プロセス、技術革新、企業の統合が進んだことで、産業の急速な成長が実現しています。このような医薬品業界の成長が、水溶性フィルム市場を牽引しています。さらに、ブラジル、ロシア、インド、中国などの新興国で最も高い成長が見込まれています。所得水準の向上と、充実した医療制度や健康的なライフスタイルへの意識の高まりが、これらの国々における市場の成長を支えています。また、人口が多く、若年層の増加や平均寿命の延長などの人口統計学的要因も、この成長の主な要因となっています。世界銀行によると、2019年のブラジル、中国、インドの医療費は、GDPの約9.5%、約5.1%、約3.5%となり、2015年から大幅に増加しています。米国、英国、ドイツ、フランス、イタリアなどの先進国市場が飽和状態になるにつれ、製薬会社は成長戦略を急速に拡大している新興国市場、特にBRICs諸国に照準を合わせています。市場の拡大、高齢化、臨床・技術の進歩、公的医療制度に対する費用増加などが、製薬企業に同地域での事業拡大の機会を与えています。

牽引要因:農業分野での需要増加

人口の増加に伴い、世界各地で農作物の収穫量向上に向けた取り組みが行われています。様々な農薬が使用されていますが、作物の種類に応じて、より安全で最適な投与量が求められています。そのため、適切な量の薬剤を包装することができ、水溶性フィルムを剥がさず使用することができる、安全性の高い水溶性フィルム包装の需要が高まっています。必要な量を少量パックにすることで、環境汚染を抑えながら効率的に作業を行うことができます。

抑制要因:高い製造コスト

水溶性フィルム市場の成長を阻害する主な要因はコストの高さです。一般的に、水溶性フィルムの製造コストは、従来のプラスチックフィルムに比べて60%から140%高くなります。これは主に、生分解性プラスチックの重合コストが高いことによるもので、ほとんどのプロセスがまだ開発段階にあり、スケールメリットが達成されていません。

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