赤外線温度計市場、2025年に36億米ドルに到達予測 低価格商品には精度面での課題も

赤外線温度計市場は、2020年の23億米ドルからCAGR9.2%で成長し、2025年には36億米ドルに達すると予測されています。これは、COVID-19の患者数の増加と、製造・建設業用途での赤外線温度計の採用率の上昇が牽引要因となっています。

2020年の赤外線温度計市場は、パンデミック以前の予想よりも早い勢いで収益を上げると予想されました。この成長は、下半期を通して、業種によっては2021年末まで続くと期待されています。

牽引要因:COVID-19パンデミックによる影響

COVID-19は、6フィート以内の物理的に近くにいる人同士など、人から人への密接な接触によって広まると考えられています。無症状の感染者から他の人に感染することもあります。また、再感染例も報告されてはいますが、それはまれなケースです。赤外線温度計は、耳や額から放射される赤外線である熱放射を測定することで体温を推測することができます。耳内温度計の場合は、一人一人に新しいイヤープローブジャケットを使用する必要があります。額面体温計は診断目的というより、主にスクリーニング用に使用されます。多くの公共の場では、赤外線体温計の使用が大幅に増加しています。COVID-19の症例数の増加に伴い、空港、スタジアム、モール、銀行や金融機関などの建物や公共の場所での赤外線体温計の使用が大幅に増加することが予想されます。

抑制要因:赤外線温度計の精度の問題

第一世代の額面体温計は、COVID-19の蔓延を抑えるために急遽発売されたものです。極端な高温多湿環境での使用を想定していないため、測定精度が不安定で信頼性に欠けるなど多くの問題が発生しました。また、低価格な赤外線温度計の中には、サーモパイルセンサの精度や品質、ADCの精度、温度補償アルゴリズムなどの不足による問題から返品される事例も見られました。

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