自律運航船の市場規模、2030年に142億米ドル到達予測 サイバー攻撃のリスクが抑制要因に

自律運航船の市場規模は、2020年の58億米ドルからCAGR9.3%で成長し、2030年には142億米ドルに達すると予測されます。この市場を牽引する主な要因としては、自律型プロジェクトへの投資の増加、次世代自律運航船の開発、状況認識船の需要の増加などが挙げられます。

COVID-19の自律運航船市場への影響

国際海運会議所(ICS)によると、船舶は全国際貿易の約 90%を占めています。COVID-19の発生により、世界中の貨物船や旅客船が地方自治体によって港から追い返され、30万人の船員が数ヶ月間海上で足止めされました。2020年4月には、ICSと国際航空運送協会(IATA)は、各国政府が乗務員交代便のための緊急措置を要求する共同声明を発表しました。2020年6月、ICSでは毎月約10万人の船員が雇用契約の終了を迎え、送還が必要になると試算しています。しかし、ほとんどの管轄区域では、通過する船員に対して、帰国や入港を制限する規則を導入しています。

COVID-19の影響で、MASS(自動運航船)関連のプロジェクトの多くが保留になっています。ヤラ・ビルケランド号は、2020年2月にルーマニアで進水し、2020年5月にノルウェーのヴァルド・ブレヴィーク造船所に入港し、管制・航法システムを取り付けて試験を受ける予定でした。しかし、パンデミックと世界的な海運の見通しの変化の結果、Yara Internationalは、その後建造を中止しました。COVID-19の経済的影響により、自律運航船プロジェクトのさらなる中断が予想されます。

推進要因:自律運航船プロジェクトへの投資が増加

自律運航船は、企業にとって地域を超えた市場の可能性を秘めていると考えられています。これら船舶は、海洋産業における安全で、効率的、持続可能な運航を促進することが期待されています。2019年、韓国は2025年までにMASSを開発するプロジェクトを開始しました。これは、IMOが定義する第3レベルの自律性を備えた船舶を建造することを目的としています。韓国商工エネルギー省と海洋水産省が特定の作業部会を設置し、1億3200万米ドルをプロジェクトに割り当てました。本プロジェクトは、早期商業化のための基礎を築きながら、自律航法・システム自律に関連する主要技術を開発することを目的としています。2023年までに世界の自律航行船市場の50%のシェアを獲得することが期待されています。

抑制要因:サイバー脅威に伴う脆弱性

船舶の自動化は、航海中の船舶が衛星ルートを辿るため、サイバー脅威のリスクを増大させています。今後数年の間に、船舶のオペレーターは、船舶を陸上ネットワークに接続することが期待されています。自動化システムの導入は、船舶の完全自動化に向けた第一歩であり、ローカルネットワークを介して重要なサブシステムを相互に統合することを可能にします。スマートシップの開発にビッグデータ解析を活用することで、運航効率と安全性が向上します。しかし、この自動化は、ハッカーからの脅威に脆弱になることも予想されます。オンライン上での脅威や攻撃が増加している中、国際海事機関(IMO)の海事安全委員会(MSC)は、船舶のシステムへのサイバー攻撃を防ぐため、暫定的なガイドラインを導入しました。

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