透視検査装置の市場規模、2025年に75億米ドル到達予測 FPDへの進化により放射線量の低減など多くの利点も

透視検査装置の市場規模は、2020年の59億米ドルからCAGR4.8%で成長し、2025年には75億米ドルに達すると予測されています。透視検査装置市場の成長は、イメージインテンシファイアよりもFPD(X線TV装置)の方が優れていること、疼痛管理における透視検査の利用、アナログX線撮影装置の診療報酬の削減、高齢者人口の増加、慢性疾患の増加などの要因に起因しています。

COVID-19の透視機器市場への影響

COVID-19パンデミックは、病院、特に小規模病院やスキャニングセンターの購買力に大きな影響を与えました。Livemintの記事によると、インドの私立病院はCOVID-19パンデミックの影響で最大90%の収益損失に直面しています。パンデミックは製造会社の運営にも影響を与えています。企業は限られた労働力で機能しています。さらに、製品やサービスの納品までのターンアラウンドタイムは、新しい包装プロトコルや各国が課しているロックダウン措置の影響を受けています。これらの要因はすべて、透視検査製品の製造とサプライチェーンに悪影響を与えています。

牽引要因:イメージインテンシファイアに対するFPDの利点

透視システムやCアームは、従来のX線イメージインテンシファイア技術からデジタルフラットパネルディテクタ(FPD)へと進化し、透視イメージングに大きな進歩をもたらしました。FPDはイメージインテンシファイアに比べ、小型化や放射線量の低減など多くの利点があります。また、FPDを搭載したシステムでは、従来のシステムよりも高い画像解像度が得られる可能性があります。

解像度は機種によって異なりますが、全体的にはFPDの方がより安定した高品質なデジタル画像を生成することができます。また、従来のイメージインテンシファイアは経年劣化により画質が劣化しますが、FPDはそのようなことはありません。イメージインテンシファイアと比較して、より広いダイナミックレンジの画像を提供することができます。また、イメージインテンシファイアの場合は高倍率になるほど視野が狭くなりますが、FPDの場合この欠点は該当しません。

FPDは画像の歪みがなく、感度が高く、患者を撮影できる範囲が広いのが特徴です。このような利点から、多くの病院でFPD透視鏡が採用されています。先端技術への嗜好の高まりと、より効率的な新製品へのシフトの必要性が、同部門の成長を牽引する重要な要因になります。

抑制要因:放射線曝露

透視下手術は低侵襲診断を保証しますが、その一方で放射線被曝のリスクも伴います。透視下手術では、ステント留置などの複雑な手技の場合、高い放射線量被曝が生じる可能性があります。これらの処置には時間がかかるため、患者が被曝する放射線量が大幅に増加し、皮膚やその下の組織への放射線誘発性傷害などの危険性が増大します。長期間の放射線被曝による長期的な副作用には、がんも含まれます。

これは、特に小児患者の場合、ユーザーを非放射線モダリティに向かわせるのに役立ちました。たとえば、ACR(American College of Radiology)の適切性基準では、2か月未満の乳児については、透視検査の前に超音波を考慮する必要があると指定されています。さらに、CTスキャンは低侵襲の透視画像とは対照的に非侵襲的であるため、CT検査は透視検査の必要性を完全に排除することができます。

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