医療用セラミックの市場規模、2025年には129億米ドル達成見込み 高額な臨床試験が市場成長の抑制要因に

医療用セラミックの市場規模は、2020年の96億米ドルからCAGR5.9%で成長し、2025 年には129億米ドルに達すると予測されています。同市場は、新規医療用セラミックス開発のための研究活動、形成外科および創傷治癒における医療用セラミックスの需要、股関節・膝関節置換術、および埋め込み型医用機器など、多用途での需要増加により拡大しています。

COVID-19の医療用セラミックスへの影響

世界的なCOVID-19パンデミックにより、多大な影響を受けた国では選択的手術が完全に停止しています。一部地域では、2020年1月以降、審美治療を希望する患者数が70%減少したと報告されています。さらに、COVID-19パンデミックの影響で、歯科イベントの延期が見受けられます。例えば、世界中から1万5000人以上の来場者を集めるポーランド最大のデンタルショーであるKRAKDENT 2020が再延期されました。StraumannグループのCEOは、COVID-19の流行により2020年度のアジア太平洋地域の売上高が3100万米ドル減少すると予想しました。さらに、DENTSPLY Sironaは、中国、韓国、台湾、日本市場での2020年度の売上高が累計6000万米ドルから7000万米ドル減少すると予測しました。

牽引要素:インプラントデバイス需要の増加

医療用インプラントは、破損した生物学的な部位を交換するために使用される人工装置です。インプラントは、歯科、整形外科、心血管などさまざまな用途で、薬の投与、身体機能の監視、臓器や組織のサポートを提供するのに役立ちます。医療用インプラント市場は、高齢者の医療ニーズの高まり、医療技術の進歩、変形性関節症、心血管疾患、神経障害、先天性疾患などの慢性疾患の発症率の上昇に牽引されています。

高齢者人口の大幅な増加により、関節再建、心臓血管外科手術、歯科補綴手術の需要が増え、また難聴の有病率の増加が予想されています。これらの要因は、聴覚、整形外科、歯科インプラント市場の成長を後押ししています。

医療用セラミックは、整形外科用インプラント(人工股関節、膝、肩、手首、骨折固定、移植骨)、心臓血管用インプラント(心臓弁、ペースメーカー、カテーテル、移植組織、ステント)、歯科用インプラント(エナメル質、詰め物、補綴物、矯正)、聴覚用インプラント(人工内耳)など、インプラントが可能なさまざまな装置の製造において重要な要素となっています。心臓血管、歯科、整形外科などさまざまな分野での需要を考慮すると、医療用セラミックの利用は今後数年で拡大すると予想されます。

抑制要因:厳しい臨床・規制プロセス

医療用セラミック製品の開発には、時間のかかるプロセスと高額な臨床試験が必要です。これらの製品は人体に埋め込むため、生体適合性が必要となり、ISOの生体適合性試験基準に対する適合が課されています。しかし、臨床試験の後期まで生体適合性を予測することは難しく、企業は市場への投資を懸念しています。また、規制上の手続きが複雑で限定的であり、セラミックの組成や将来の用途に依存する事になるため、医療用セラミック製品の承認手続きは高額で時間がかかります。これらの要因が、医療用セラミック市場の成長を妨げています。

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