船舶用エンジンの市場規模、2025年には137億米ドルに到達予測 国際海上貨物輸送の成長、海上観光の成長などが市場の成長を牽引

船舶用エンジンの市場規模は、2020年の118億米ドルからCAGR3.1%で成長し、2025年には137億米ドルに成長すると予測されておいます。船舶用エンジン市場の成長を牽引する主な要因には、国際海上貨物輸送の成長、海上観光の成長、状況認識と安全性のためのスマートエンジンの採用の増加などがあります。

COVID-19の船舶用エンジン市場への影響

船舶用エンジンへの影響が最も大きいのはサプライチェーンです。業界幹部は、コロナウイルスの蔓延を遅らせるために各国が行った産業の停止や、労働者の陽性反応により、製品の納入や建設の減速を予想しています。投資は、パンデミックと世界的な石油価格の低迷の複合的な影響により、オフショア支援船を中心に急激に縮小する可能性が高まる見込みです。景気後退、生産停止、操業停止、ロックダウンが続く中、商船の需要は低迷しています。また、クルーズ船の欠航や国際貿易投資の減速なども、船舶用エンジンの需要に悪影響を及ぼしています。下期には、各国が早期にパンデミックを抑え、平常に戻ることを条件として、回復が期待されています。

牽引要因:国際海上貨物輸送の成長

海上輸送は国際貿易のバックボーンと考えられています。英国の国際海運会議所(International Chamber of Shipping)が発表したデータによると、世界の商品貿易量の約90%は海上輸送で行われています。アジア太平洋地域の国々は、製造拠点として製品の主要な供給国となっています。このため、アジア太平洋地域では物資の輸出が増加しており、コンテナ船に非常に高い需要があります。推進システムやエンジンメーカーを持つ造船会社の多くはアジア太平洋地域に存在しています。アジア太平洋地域における海上輸送サービスの需要と海運業の成長が、船舶用エンジンの需要増加に貢献しています。

制約要因:世界的に厳しい環境規制

環境規制、政策、補助金制度は、SOx、NOx、CO2などの有害ガスの排出量に応じて国ごとに異なります。例えば、2005年に英国の国際海事機関(International Maritime Organization)が発表したMARPOL Annex VIガイドラインでは、NOx排出量の上限を定め、硫黄分の少ない燃料の使用を義務づけています。これらのガイドラインは、米国海域で取引される船舶に適用され、北米排出規制区域(ECA)としても知られている北米沿岸から200海里以内の船舶にも適用されます。船舶部品メーカーは、世界各国の政府が策定した様々な環境規制に対応した、船舶推進システムの開発に注力しています。

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