二次電池電力貯蔵システム市場規模2025年には121億ドルに到達予測 スマートグリッドの実用化や公共事業が成長を促進 製造拠点である中国への過度な依存が課題

二次電池電力貯蔵システム 市場規模

市場規模はCAGR32.8%で推移し、2020年の29億米ドルから2025年には121億米ドルに成長すると予測されています。重要インフラにおける継続的な需要増、スマートグリッドにおける採用増、優れた機能を持つリチウムイオン電池ベースシステムの使用増などが、二次電池の市場を牽引しています。本レポートでは、二次電池電力貯蔵システム業界を、要素、電池タイプ、所有権、接続タイプ、エネルギー容量、アプリケーション、地域ごとにセグメント化しています。

COVID-19 二次電池電力貯蔵システム市場への影響

同システムの主要材料を製造しているアジア地域、特に中国の操業停止により、米国、ドイツ、オーストラリアなどのサプライチェーンに悪影響が出ました。また、個人所得減少により、家庭用蓄電システムの需要も減少しています。一方で、公共事業における同システムは、中国、米国、ドイツ、韓国では、ほとんどのプロジェクトが稼働しており、再生可能エネルギー発電とスマートグリッドの統合を担っています。公共事業が下支えとなり、市場全体の需要も今後数年で増加し、2022年には以前の水準まで回復すると予想されています。

成長要因:スマートグリッドの実用化に伴い、グリッドエネルギー貯蔵システムの需要増

グリッドに蓄えられる再生可能エネルギーの中で大部分を占めるのは、太陽エネルギーと風力エネルギーです。しかし、太陽が雲に隠されたり、風の流れが変動したりすると、エネルギーの生成過程に変動が生じます。蓄電システムは、発電した電力が電力需要を上回った場合に、電力を保存できるようにするものです。このシステムを採用することで、発電・送電・配電における電力供給システムの信頼性と柔軟性が向上します。送電・配電時には、周波数調整、高調波抑制、電圧サポート、電力品質の確保などを行うことができます。電気エネルギーの平準化と再生可能エネルギー容量の固定化は、エネルギー貯蔵システムが提供する利点です。米国のシーメンスや韓国電力公社(KEPCO)が始動しているプロジェクトに期待が寄せられています。

抑制要因:蓄電池・蓄電システムの導入にかかる高額な設備投資

蓄電システムのコストは、使用する電池の種類や数、システムの用途によって異なります。異なる電池、インバータ、電池管理システム(BMS)、および配線を電池エネルギー貯蔵システムに統合すると、コストが上昇します。設備投資としては、電池の充電費用、設置に伴う人件費、設置されるプラントのメンテナンス費用、システムの交換・修理費用、廃炉・廃棄費用などが必要となります。このような高額な設備投資が市場の抑制要因となっています。

課題:COVID-19 によって露呈した中国への過度な依存

COVID-19によりエネルギー産業のサプライチェーン、特に再生可能エネルギー技術と電池エネルギー貯蔵システムは大きな影響を受けました。主要原材料の調達の大半を、中国をはじめとするAPAC諸国で行っていたため、そこの操業停止によりサプライチェーン全体に大きな混乱が生じたのです。LG Chem(韓国)などの主要な電池蓄電システムメーカーは、中国への依存度を下げるために、拠点を中国以外にシフトしようとしています。また、他企業でもPHS、CAES、フローバッテリーなどの新しいエネルギー貯蔵技術にシフトすることで、より安定した生産および供給体制を目指しています。

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