コンタクトレンズ市場規模2025年には102億ドルに到達予測 牽引要因は近視の増加、抑制要因は眼科医不足 アジア太平洋地域に伸びしろあり

コンタクトレンズ市場規模

2020年の74億ドルから2025年には102億ドルに達し、CAGRは6.7%に達すると予測されています。市場の成長は、主に近視の増加、眼鏡よりもコンタクトレンズが好まれる傾向の高まり、世界的な高齢者人口の増加によって牽引されています。未開拓の新興国では伸びしろがある一方で、眼科医の不足と規制上の障壁が、今後数年間で市場の成長に一定の影響を与えると予想されています。

Source:MarketsandMarkets

COVID-19 コンタクトレンズ市場への影響

ユーロレンズリサーチが2020年4月に実施した調査では、コンタクトレンズ装用者の75%が、コロナ禍の移動制限によりコンタクトレンズが手に入りにくくなることを考慮して、使用量を減らしていることが明らかになりました。さらに、ボシュロム、カール・ツァイス・メディテックAG、ジョンソン・アンド・ジョンソンなどの大手市場プレーヤーならびに新興企業は、事業縮小による売上高の減少を示しました。

市場の成長要因:近視の増加

コンタクトレンズは、近視、遠視、乱視、老眼などの視力障害を矯正するために使用されます。中でも近視は世界で最も多く見られます。WHOによると、近視の有病率が最も高いのは、中国、日本、韓国、シンガポールなどの東アジア諸国です。2050年までには、世界で近視が49億4,900万人、高度近視が9億2,500万人に影響を与えると予想されています。近視の増加と、屈折異常の矯正のためのコンタクトレンズ使用率の増加が、今後の市場の成長を牽引すると予想されています。

市場の抑制要因:眼科医の不足

眼科医に対する需要は世界人口の増加以上に大幅に成長していますが、医師の数は増加していません。これは特に発展途上国で顕著です。例えばインドでは、人口9万人に1人の眼科医がいるのに対し、米国では15,800人に1人の割合となっています。

流通チャネル

2019年のコンタクトレンズ市場では、小売店が最も大きなシェアを占め、次いで病院&クリニック、Eコマースが続いています。小売店のシェアが大きいのは、可処分所得の上昇と化粧用コンタクトレンズの需要があるためと考えられます。さらに、これらの店舗はOTCの日常用使い捨てコンタクトレンズを販売しており、その結果、販売量が増加しています。

2025年にかけてアジア太平洋地域市場が最も拡大

2019年のコンタクトレンズ市場では、北米が最大のシェアを占め、次いで欧州、アジア太平洋が続いています。2025年にかけては、アジア太平洋地域の市場が最も高いCAGRで成長すると予測されています。アジア太平洋地域の市場は、主に眼科疾患の症例数の増加、老年人口の増加、コンタクトレンズの技術進歩の増加によって牽引されています。

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