抗菌粉体塗料の市場規模、2025年には27億米ドルに到達予測 医療・ヘルスケア業界ではCOVID-19対策として仮設および既存医療施設での塗布も

抗菌粉体塗料の市場規模は、2020年の15億米ドルから2025年には27億米ドルに達し、CAGR12.0%で成長すると予測されています。COVID-19パンデミックの影響で、医療・ヘルスケア業界では抗菌粉体塗料の需要が増加しています。パンデミックの影響下で抗菌粉体塗料は大きな注目を集めており、複数の仮設や既存の医療施設で塗布されていました。

COVID-19の抗菌粉体塗料市場への影響

COVID-19のパンデミックにより、世界中で患者数が大幅に増加しています。これらの患者の治療のために、仮設病院や施設が設立される国もあり、そこでは、COVID-19ウイルスや他の細菌が建物の表面で拡散や増殖したりしないように細心の注意が払われています。また、仮設施設や既存の医療施設では、ドアノブ、ベッド、医療器具、治療に使用する医療機器などの表面に抗菌粉体塗料を塗布している所もあります。このように、抗菌粉体塗料は、医療・ヘルスケア業界におけるCOVID-19パンデミックに対抗するための有効な手段として浮上しています。

牽引要因:HVACシステムの需要の増加

米国、EU5ヶ国、ベネルクス3ヶ国などの先進地域では、住宅、商業、施設、産業分野におけるHVACシステムの需要が大幅に増加しています。さらに、税制上の優遇措置や省エネのためのインセンティブなどの政府の規制や政策が HVAC システムの需要を促しています。

HVACシステムにおけるカビの発生は、空気の質に大きな影響を与えます。空気が循環する間に、カビの胞子は外部環境からHVACシステムに入り、ダクト全体、そして最終的に建物内に分布し、新しいカビのコロニーが形成されます。世界保健機関(WHO)によると、室内空気の質やアレルギー関連の問題の80%以上はカビが原因であるとされています。環境保護庁(EPA)、WHOなどのいくつかの政府機関は、住宅、商業施設、施設の建物の室内空気の質に規制や基準を課しています。予防策として、HVACシステムメーカーはシステム部分に抗菌性のある粉体塗料を塗布しており、カビや他の細菌の繁殖を防ぐだけでなく、メンテナンスコストの削減にもつながっています。

また、COVID-19の大流行により、世界各国の政府は室内空気の質に関する基準や規制を変更しています。これにより、商業および機関部門で抗菌コーティングされたHVACシステムの需要が大幅に増加しました。その結果、世界中でHVACシステムの認知度が高まり、設置や交換が増加していることから、抗菌粉体塗料の需要は増加すると予想されます。

北米市場が最大シェアを占めると予測

北米の抗菌性粉体塗料市場は、今後5年間で力強い成長が見込まれています。北米市場は、HAIs(医療関連感染)の原因となる細菌や微生物の増殖を抑制するために、医療・ヘルスケア分野からの需要が高まっていることに牽引されています。

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