超音波診断の市場規模、2025年には82億米ドルに到達予測 米国の医療保険制度改革が高額機器の採用を制限する可能性

超音波診断の市場規模は、2020年の61億米ドルから2025年には82億米ドルに達し、CAGR6.1%で成長すると予測されています。継続的な技術進歩、成熟市場での診断用超音波処置に対する医療費償還制度の利用の可能性、血管イメージングでのドップラー超音波および腫瘍学における3D・4D超音波など、新しい超音波技術の採用が市場の成長を推進しています。

COVID-19 の超音波市場への影響

超音波市場はCOVID-19パンデミックの影響を受けており、この傾向は2020年12月まで続くと予想されています。さまざまな規制やガイドラインの変更が、この市場の成長を妨げています。ロックダウンによる製造施設の閉鎖、サプライチェーンの混乱、臨床試験のための採用問題が、市場全体の成長を制限しています。

現在のシナリオにおける様々な課題に対処し、患者の安全を確保するために、米国超音波医学研究所などの学会や国の当局が、国際的なガイドラインを作成しています。このガイドラインは、患者、医療従事者、業界の代表者、病院の管理者が、COVID-19パンデミック下で患者がさらされるリスクを特定し、超音波検査の手順や診療所訪問の管理に役立てることを目的としています。

推進要因:対象疾患の有病率の増加

対象疾患の有病率の増加により、効果的な診断や治療法の採用が促進されると考えられます。超音波技術は効率が良く、安全性が高い上、標的疾患の早期診断と治療が可能なため、疾患管理における需要が増加すると予想されています。

抑制要因:米国の医療保険制度改革の影響

2012年8月、米国政府は2022年までの10年間で、医療保険制度の支出を7160億米ドル削減すると計画しました。多くの業界関係者は、この医療改革が米国で事業を展開する医療機器企業のキャッシュフローにマイナスの影響を与えると予想しています。多くの医療施設が高額な機器の購入を政府の資金に依存しているため、米国での機器の採用が制限される可能性があります。

市場機会:超音波アプリケーションの拡大

低侵襲治療や画像誘導による処置は、世界中の医療従事者や患者に、より一層採用されるようになっています。超音波産業は、産婦人科向け画像診断の従来型診断モダリティから、腎結石、癌、その他の臨床状態の治療技術へと大きくシフトしています。このような取り組みが、市場におけるメーカーの収益成長のための新たな道を切り開くと期待されています。

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