複層ガラスの市場規模、2025年には274億米ドルへ成長予測 都市部への人口集中により、エネルギー効率の高い住宅や商業ビルへの需要拡大
複層ガラスの市場規模は、2020年の214億米ドルから2025年には274億米ドルに達し、CAGR5.0%で成長すると予測されています。窓やドア、ファサードに使用することで可能となる優れたエネルギー効率により、市場は成長しています。一方、2020年はCOVID-19の影響で複層ガラスの需要は減少すると予想されています。ロックダウンの終了後には、再び需要が拡大する見込みです。
COVID-19の複層ガラス市場への影響
COVID-19パンデミックは、建設・インフラ業界全体の複層ガラス需要に悪影響を及ぼしています。サプライチェーンの混乱により、原材料の到着に遅れや未着が生じ、資金の流れが乱れました。また、生産ラインの労働力は減少し、建設・インフラ企業は操業の停止、あるいは部分的な稼働を余儀なくされ、結果として市場の需要が落ち込みました。
促進要因:市場を支配する商業部門
商業部門では、APAC(アジア太平洋地域)、北米、欧州での需要増加が、2019年の市場全体を牽引しました。インド、中国、その他のアジア諸国の建設プロジェクトの増加は、断熱ガラスの消費を促進し、その結果、商業部門での複層ガラスの成長を支えています。さらに、成長するIT・ITesセクターは、ファサード用途のガラスの成長を後押ししています。
抑制要因:知識や認識の不足
複層ガラスの優れた特性や性能にもかかわらず、その利点についての知識や認識が不足しているのが現状です。インドなどの発展途上国では、業界内の人々でさえも、複層ガラスとそのソリューションに関して理解が乏しい傾向があります。複層ガラスが提供するエネルギー効率の高いソリューションに対する消費者側の意識の欠如も、市場の成長を妨げる要因となっています。
市場機会:新興国で発展する建築・建設活動
APACと中東・アフリカの発展途上国における建築・建設産業の成長は、複層ガラスメーカーの成長に新たな展望をもたらしました。人口の増加、急速な都市化と工業化、生活水準の上昇により、APAC全体の建築・建設部門の成長が後押しされました。例えば、国連経済社会局によると、世界の人口の55%が都市部に住んでおり、その割合は2050年までに68%に増加すると予測されています。このような人口シフトによる急増は、都市部でのエネルギー効率の高い住宅や商業ビルに対する大きな需要を生み出すと考えられます。