フレキシブルバッテリーの市場規模、2020年の9800万米ドルから、2025年には2億9600万米ドルに、CAGR24.7%で成長予測

フレキシブルバッテリー市場は、2020年の9800万米ドルから2025年には2億9600万米ドルに達し、CAGRは24.7%で成長すると予測されています。これは、ウェアラブルデバイス用の研究開発活動の増加、フレキシブル電子デバイスにおける薄型バッテリーの使用の増加、電子デバイスの小型化の進行、IoTアプリケーションにおける需要の急増、COVID-19患者を治療するための医療機器における使用の増加などが原動力となっています。

3V以上の部門は、最も高いCAGRで成長する

3V以上の電圧を持つフレキシブルバッテリーの需要の増加が予想されています。これは、他のフレキシブルバッテリーよりも高出力、長寿命、安全性が高い事に起因します。従来の電池では不可能な電子機器の小型化が多数開発されていることから、フレキシブルバッテリーはさまざまな用途で採用され、家電製品やウェアラブル製品にも使用されています。また、有毒な液体やガスなどの有害物質を含んでいません。

COVID-19パンデミック中の携帯型医療機器の使用で、需要が拡大

現在、いくつかのメーカーが温度センサー、ペースメーカー、スマートパッチの利用にフレキシブルバッテリーを採用しているため、医療機器業界での需要が増しています。医療分野における技術の進歩とIoTの浸透により、新しい電池式医療機器の市場が生まれています。神経刺激装置、ペースメーカー、除細動器などの植込み型医療機器には、長時間にわたって安定する信頼性の高い電力を供給できる電池が必要です。優れた信頼性と高性能により、フレキシブルバッテリーはこの要件を満たしています。ペースメーカー、ドラッグデリバリーシステム、医療用パッチ、医療診断センサー、使い捨て医療機器、バイオセンサーの新バージョンでは、フレキシブルで薄型の電源が使用されています。フレキシブルバッテリーのサイズと柔軟性は、これらの要件に完全に適合しています。このように、医療機器分野は同市場で大きなシェアを占めています。

薄膜電池部門が市場で最大のシェアを占める

薄膜電池は、スマートパッケージ、スマートカード、ウェアラブルデバイス、医療機器などで広く使用されています。これらの電池は、優れた性能と高い平均出力電圧を提供するだけでなく、かさばる固体電池よりも電解液漏れの可能性が低くなります。使用される製品の小型化需要の増加に伴い、薄膜リチウムイオンフレキシブル電池の採用が増加しており、薄膜電池部門の成長を大きく牽引しています。また、通信、銀行、交通機関などの分野では、決済用途でのスマートカードの需要が増加していることも、市場の薄膜電池部門の成長を後押ししています。

APAC(アジア太平洋地域)のフレキシブルバッテリー市場は、最高のCAGRで成長する

中国、日本、韓国などでは、IoT対応機器やポータブル家電の需要が継続的に増加しており、APAC市場の成長を牽引しています。韓国にはLG ChemやSamsung SDIなどの企業があり、スマートフォン、スマートグラス、ウェアラブルデバイスなどの製品に電力を供給するために、湾曲型でフレキシブルなバッテリーを開発しています。APACでは、スマートパッケージングの人気が継続的に高まっているため、フレキシブルバッテリーとスマートパッケージングの統合が求められています。

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