救急医療装置の市場規模、新型コロナの影響で2019年から2020年はCAGR44.1%で拡大予測 一転2021年は大幅縮小見込み

救急医療装置の市場規模は、2020年の推定値379億7000万米ドルから2021年には272億9000万米ドルに縮小すると予想されています。対して、2019年から2020年にかけてはCAGR44.1%の成長が予測されています。これは、主にCOVID-19患者の影響によるもので、ICUベッド数の需要、患者の管理のための人工呼吸器の増加、および装置の製造を容易にするための規制要件の緩和によって推進されました。さらに、低コストの人工呼吸器の開発と医療予算の増加が予想されることから、同市場で事業を展開している企業には大きな成長の機会が与えられています。一方で、コロナウイルスの急速な蔓延による供給と物流の混乱は、市場の成長を阻む可能性も高くなります。

人工呼吸器部門は最高のCAGRで成長

製品別では、人工呼吸器、睡眠時無呼吸用機器、患者モニター、高圧酸素療法機器、輸液ポンプ、除細動器、麻酔器、血液保温器、その他の消耗品に分類されます。人工呼吸器部門は、最速で成長すると予想されます。これは、世界的に緊急医療向け人工呼吸器の製造が増産されていることと、低価格な人工呼吸器が開発されていることに起因しています。

病院・診療所部門が最大シェアを占める

救急医療装置市場は、病院、在宅ケア設定、外来ケア設定、救急医療サービスに分類されています。2019年は、病院・診療所部門が最大のシェアを占めました。これは、高価格の救急医療装置を購入するための病院の強固な財政力、病院で治療を受ける患者数の多さ、およびこれらの救急医療装置を操作するための専門医の存在に起因しています。

最大のシェアを占めた北米市場

救急医療装置は、北米、欧州、アジア太平洋(APAC)、中南米、中東・アフリカの5つの主要地域に分類されます。2019年は、北米が最大のシェアを占めており、これは、主に特殊輸液ポンプの高い利用率、米国でのCOVID-19陽性および死亡者数の多さ、強力な医療システム、大規模病院の存在に起因すると考えられます。さらに、世界の大手企業の多くが米国に拠点を置いているため、米国では機器の製造が容易である事も市場を牽引する要因となっています。
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