エッジAIソフトウェア、企業によるリモートワークの推進、製造業における自動化などCOVID-19対策が市場の成長を後押し

COVID-19の影響下で、エッジAIソフトウェアの市場規模は、2019年の4億7000万米ドルから2021年の6億6500万米ドルへ、CAGR19.0%で成長すると予測されています。市場成長を牽引する主な要因には、企業によるリモートワークの推進、製造業における自動化の他、ハイパースケーラー、エッジAIソフトウェア/プラットフォームプロバイダー、およびインターネットサービスプロバイダー(ISP)に対するITインフラ投資を誘導するためのリモートモニタリングならびに予測分析の需要が挙げられます。リアルタイムデータ分析やクラウドベースの事業継続ツールおよびサービス、前例のない現在の状況に最適なエッジクラウド環境の適合性に対する需要の高まりなども、市場の成長を後押しする要因と考えられます。

最も高い成長率を示すモバイルデータソース

モバイルデータソース部門は、最も高いCAGRで成長すると予測され、動画・画像認識データソースがこれに続きます。パンデミックの深刻な影響を考えた各国の厳しい対策により、世の中のリモートワーク機能が増え、モバイルデータの利用が拡大しています。さらに、世界中の政府機関が、接触者の追跡やウイルスの拡散状況調査、ホットスポットの特定などを開始したことにより、モバイルデータの使用量が増加しています。

ビデオ監視部門がより高い投資と成長を記録

ビデオ監視の利用は、手術室からモバイル機器にまで拡大されており、COVID-19はビデオ監視の使用をさらに拡大しました。ヘルスケア分野におけるテレヘルスは、WHOやCDCなど世界中の医療機関が使用のガイドラインを提示し、新しい規範となっています。多くの医療機関が、医療従事者の安全を守り、患者を治療するためにテレヘルスを活用しています。民間の医師や医療機関は、ロックダウン中の各国でオンラインコンサルティングを提供しています。

世界中の政府は、ドローンやCCTVカメラなどの高度なビデオ監視技術を利用して、社会的距離の管理、隔離された人々の監視、ウイルスの拡散の追跡を行っています。中国、ロシア、韓国は、ビデオ分析を利用して市民を綿密に監視し、ウイルスから市民を隔離しようとしています。ロックダウンが緩和されれば、より多くの業界でビデオ解析ツールの採用が進み、ビデオ監視市場は以前の予想を上回る速さで成長すると予測されています。

エッジAIソフトウェア市場で最速に成長するヘルスケア業界

世界の医療業界は、COVID-19のパンデミックの下、医療サービスの拡大や人工呼吸器および必須医薬品を入手できる体制の強化といった大きなプレッシャーにさらされています。医療従事者は、ウイルス感染を最小限に抑えるために、患者の遠隔ケアを可能にする技術を利用しています。インテリジェントロボット、簡易的な人工呼吸器、遠隔医療の利用が増加しています。

医療機関は、COVID-19周辺の大規模なデータを分析して、ウイルスの影響を監視、診断し、治療計画を立てるために、AIやMLなどの先端技術を利用しています。多くの企業が、COVID-19の症状を検出するために、胸部CTまたはX線スキャンでいくつかのAI対応システムを開発しています。これらのディープラーニングツールは、放射線技師の作業負荷を軽減し、プロセスを迅速化するのに役立っています。

ラテンアメリカ(LATAM)は最高の成長率を記録

ラテンアメリカの技術経費支出は一時期増加していましたが、最近のCOVID-19の影響で後退しつつあります。リモートワークが利用できる部門では、エッジAIソフトウェアの採用が増加すると予想されています。それらの部門には、公共部門やヘルスケアなどが含まれます。その他、製造、運輸・物流、通信などの分野では、今後2、3年の間にパブリックエッジAIソフトウェアへの支出が増加すると予想されています。

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